東洋文庫×J-CASTニュース 隠れたインスタ映えスポット 訪ねて発見 東洋文庫の魅力
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東洋文庫×J-CASTニュース 隠れたインスタ映えスポット 訪ねて発見 東洋文庫の魅力

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撮影・阿部稔哉

東洋文庫とのコラボ企画「見る、読む、解く明治維新150年」は、もうお読みいただけましたか? 「歴史とか興味ない」「そもそも東洋文庫って何?」という方のために、本好き、アジア好きの雑誌編集者、渡邊直樹さんと東洋文庫ミュージアムを探訪しました。フォトジェニックな館内は、インスタ映えスポットとしても注目されています。ギャラリーや360°カメラの映像もお楽しみください。

東洋文庫について

東洋文庫外観

世界的な東洋学研究図書館

東洋文庫は、三菱第3代当主岩崎久彌が1924年に創設しました。国宝・重要文化財を含め約100万冊の蔵書を有し、世界5大東洋学研究図書館の1つに数えられています。2011年にオープンしたミュージアムでは、斬新な展示技術と空間演出で、貴重な資料を一般公開しています。なかでも、岩崎がオーストラリア出身のジャーナリスト、G.E.モリソンから購入した欧文資料のコレクション約2万4千点を並べた「モリソン書庫」は圧巻です。

渡邊直樹さんと巡る東洋文庫ミュージアム

渡邊直樹さん

渡邊直樹(わたなべ・なおき)大正大学客員教授、月刊「地域人」編集長

1951年生まれ。東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業後、平凡社に入社。81年、嵐山光三郎らと青人社の設立に参加し、三代目『ドリブ』編集長を務めた。その後『SPA!』『週刊アスキー』などの編集長を経て、98年ジェイ・キャスト設立に参加。ウェブコンテンツ制作を手掛けたのち、『婦人公論』『をちこち』編集長を歴任。『宗教と現代がわかる本』(2007年版から16年版までの10冊)も責任編集。2004年大正大学文学部教授、17年より現職。愛書家の祖父と東京外国語大学でモンゴル語を学んでいた父の影響で幼いころから本に親しみ、アジアの文化・歴史への造詣が深い。

 東京文京区、緑豊かな六義園のそばに佇む東洋文庫。その近くで生まれ育ち、現在も徒歩圏内の大学に勤める渡邊直樹さんは、ミュージアムの開館当初から足繁く通っています。実は渡邊さん、平凡社の「東洋文庫」シリーズから出版された石田幹之助の『長安の春』に感銘を受けて同社に就職したそうです。この日は、「ずっと疑問に思っていた平凡社との関係を、ぜひ聞いてみたい」と、東洋文庫を訪れました。案内してくれたのは、学芸員であり研究員の岡崎礼奈さんと篠木由喜さんです。

エントランスには、33の言語で「ようこそ」の文字が。 エントランスには、33の言語で「ようこそ」の文字が。

エントランスには、33の言語で「ようこそ」の文字が

参加型展示で遊べる!「オリエントホール」から始まる本の旅

 ミュージアムの出発点、「オリエントホール」には大きな吹き抜けがあり、正面のガラス越しに中庭が見渡せます。

オリエントホール

「オリエントホール」。左手の階段は「モンスーンステップ」

 右手の展示ケースには、アジアだけでなく世界各国の言語で書かれた資料が紹介されています。フランス人画家ジョルジュ・ビゴーの風刺画の前で足を止めた渡邊さん。「明治時代の日本人をどのように見ていたかがわかって面白い。ここを素通りしたらもったいないですね」

オリエントホール オリエントホール

 対面の壁には300年前に描かれた「江戸大絵図」の原寸大のレプリカが吊り下げられています。デジタル版を現代の地図と重ね合わせて見ることもでき、篠木さんら研究員が歩いて撮影した江戸百景の写真と解説が楽しめます。「GPSを活用したスマホアプリもありますよ」と篠木さん。子どものころ写生に通った小石川植物園を見つけた渡邊さんは、「デジタルにすることで現代と視覚的に繋がります。逆に、地図の巨大さや迫力は現物でしかわからない。ここに来れば、それぞれの魅力を感じられますね」と、早くも新たな楽しみ方を発見しました。

「江戸大江図」のレプリカ 「江戸大江図」のデジタルアプリ

「江戸大江図」のレプリカのサイズは、縦267.7㎝、横320㎝

 隣には、シルクロード関連の貴重資料のデジタル画像を検索し、オリジナルの絵葉書が作れる「遷画~デジタルシルクロード」があります。「年賀状にいいね」と来年の干支の画像を探す渡邊さん。「ここだけで1時間は遊べそう」と後ろ髪をひかれつつ、2階のモリソン書庫へと向かいます。

岡崎さん(左)のレクチャーを受け、シルクロード関連の絵や書を検索する渡邊さん

岡崎さん(左)のレクチャーを受け、シルクロード関連の絵や書を検索する渡邊さん

本の存在感に圧倒される「モリソン書庫」

 「モンスーンステップ」を上ると、三方の壁を本で埋め尽くす大きな書棚に目を奪われます。この書庫に収められているのは、東洋文庫の蔵書の核をなすモリソン・コレクション。『東方見聞録』のような古典籍や地図、『アジアの鳥類』などの図鑑や旅行記、シルクロード探検隊の調査報告書など、2万4千冊におよぶアジア関係の欧文資料が整然と並んでいます。「前にここで撮った写真をフェイスブックに載せたら、『いいね!』がたくさんついた」と笑顔で話す渡邊さん。「展示物も自由に撮影できるから嬉しくて、つい時間を忘れてしまいます」

大きな書棚に目を奪われます

 昨年、渡邊さんはコレクションの渡来100周年を記念した「東方見聞録展」を訪れ、19世紀のイギリスで出版された『アジアの鳥類』図鑑に魅せられました。手彩色の美しく精細な図版から、当時の英国人研究者たちの熱い思いが伝わってきます。

『アジアの鳥類』より 画像提供:東洋文庫

『アジアの鳥類』より 画像提供:東洋文庫

 「ここには本が持つ"もの"としての圧倒的な存在感があり、蒐集にかけたモリソンの情熱、研究者の自然や文化に対する畏怖が集約されています。本が語りかけてくる壮大な歴史を体感できるのが最大の魅力ですね」という渡邊さんの言葉に、岡崎さんは深くうなずきます。「災害を乗り越え、第二次大戦中は宮城県に疎開させて戦禍を免れました。渡来して100年間、欠けることなく残った背景には、知識を守り抜こうとした研究者たちの強い意志があります。展示するものはごく一部ですが、コレクション自体が歴史や物語、知識を残すことへの執念を背負っているのかもしれません」

モリソン書庫

東洋文庫の歴史

1924
財団法人東洋文庫設立
1945
蔵書の疎開
1947
幣原元首相が理事長就任
1948
国立国会図書館支部となる
1961
ユネスコ東アジア文化研究センター併設
1999
フランス国立極東学院と協定
2003
ユネスコ東アジア文化研究センター終結
2006
台湾の中央研究院と協定
2010
ハーバード・エンチン研究所・同図書館と協定
エジプト・アレクサンドリア図書館と協定
2011
ミュージアム開館
2013
公益財団法人へ移行
岩崎久彌

岩崎久彌と東洋文庫

岩崎弥太郎の長男、久彌(1865-1955)は米ペンシルヴァニア大学卒業後、1893年三菱合資会社の社長に就任。1917年にモリソン・コレクションを一括購入し、24年に東洋文庫を創設した。また、和田維四郎を顧問に蒐集した古書を主とする稀覯書3万8000冊は、のちに岩崎文庫となった。奈良朝以後の古写本、古刊本、中国の宋・元・明・清の時代の善本、朝鮮本などとともに、江戸時代の豊富な資料が含まれる。

G.E.モリソン

G.E.モリソンについて

ジョージ・アーネスト・モリソン(1862-1920)は、オーストラリア出身のジャーナリスト。エディンバラ大学を卒業し医学博士となるもジャーナリストを志し、英タイムズ社の海外通信記者として北京に在住。その後、中華民国の政治顧問として活躍した。彼が蒐集した約2万4千冊のアジアに関する蔵書には、最新のアジア情勢をヨーロッパへ発信し続けた人物ならではの視点とコレクターとしてのこだわりが反映されている。

モリソン書庫360°ギャラリー

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