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テレワークしていいのに満員電車で出社 緊急事態宣言出ても上司の目が不安

   緊急事態宣言が2021年1月7日に再発令される見通しだ。昨年4~5月の宣言時同様、外出自粛が進むだろう。密状態となる満員電車に揺られて職場に向かう代わりに、在宅勤務(テレワーク)が推奨される。

   パーソル総合研究所(東京都千代田区)の「人材マネジメントにおけるデジタル活用に関する調査2020」によると、緊急事態宣言が発令された場合にテレワークを「認める」と回答した企業の割合は、71.1%だった。3割弱は認めていない計算だ。ただJ-CASTトレンドが同社に詳細を取材したところ、意外な実態が明らかになった。

  • テレワークできるのになぜ出社する?(画像はイメージ)
    テレワークできるのになぜ出社する?(画像はイメージ)
  • テレワークできるのになぜ出社する?(画像はイメージ)

制度や環境の不備で認めず

   業務内容によっては出社が避けられないケースはある。だが、テレワークができるのに出社をしている人がいるようだ。ツイッターには「このご時世テレワークが当たり前になりつつあるのに、上司に今日テレワークでもいいかとお伺いを立てたところNGと。こんな会社どう思います??」との嘆きが複数投稿されている。

   パーソル総合研究所の広報担当者は取材に、企業がテレワークを業務内容以外で認めない理由には、社内で「テレワークの制度が整っていない」ことが挙げられると話した。実際に同社が20年12月に発表した「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」結果では、テレワークをしていない理由に「制度が整っていない」が約4割と多くの割合を占めている。ほかにも、「ICT環境が整備されていない」、「場所がない」との理由もあるという。

   一方で広報担当者は、テレワークを認めている企業が7割に達するのに、実施率が低い点が問題だと指摘した。

仕事をさぼっていると思われていないか

   パーソル総合研究所が20年6月11日に発表したテレワークの実施率の調査結果によると、緊急事態宣言解除直後の20年5月25日時点では、全国でわずか25.7%だった。20年11月18日~23日でも全国平均で24.7%と、低いままだ。

   その理由を広報担当者は、テレワークに対する「不安感」と説明した。

「不安感は年齢が若ければ若いほど強く感じていて、その不安からテレワークが認められていても出社してしまうケースもあるのかもしれません」

   前述の「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」でも、「上司から公平・公正に評価してもらえるか不安」、「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安」、「将来の昇進や昇格に影響が出ないか不安」など、若い世代で様々な不安を抱えていることが明らかになっている。

   2度目の緊急事態宣言の発令で、テレワークの実施率は上向くだろうか。

「社員が抱える不安を取り除き、会社側からテレワークを推奨するなど実施率を高めていくことが重要ですね」