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はつめ「格ゲー勢は命と人生かけてる」 プロの肩書き欲しいだけの人と違う

【連載】はつめ降臨 成長する連載「第一形態」

   前回、「プロゲーマーとは何ぞや」「プロゲーマーはどんな生活を送っているか」を語った、はつめさん。「プロ」で最も多いのが、学生や社会人をしながら兼業している人と教えてくれました。

   専業と兼業、その割合は「ゲームジャンルによって大きく変わる」。今回は、その話の続きからスタート。

  • 「極端な話、朝起きてゲームして朝寝てました」
    「極端な話、朝起きてゲームして朝寝てました」
  • 「極端な話、朝起きてゲームして朝寝てました」

「ゲーム業界を盛り上げたい」と思うチームは

はつめ:ゲームジャンルによって変わる部分というのは、簡単に言うとそのゲーム、界隈の年齢層の違いですね。

いしたにまさき:そうなると大会に出場している人たちの中で、ざっくり7割ぐらいは兼業プロゲーマーということか、もっと多いか。

はつめ:個人的にはそんなイメージです。まずプロゲーマーとして活動している方も少ないので...。格ゲーだったり、年齢層の高いゲームに行けば行くほど専業プロゲーマーの割合が増えます。

いしたに:それはわかる。

はつめ:少しだけ面白いというか怖い話というか。あまり具体的な名前を出すと干されるので言いませんが、某格闘ゲームと某FPSの界隈を比べたとします。

いしたに:はいはい。

はつめ:ゲーム人口の問題もあるのですが...某格闘ゲームに参入しているチームは数少ない。一方、某FPSに参入している、もしくはそのタイトルでしかプロ選手を抱えてないチームはめちゃめちゃいっぱいあるんですよね。

いしたに:格闘ゲームの方が狭き門というのは、なんとなくわかります。

はつめ:学生って、プロとしての肩書欲しさにお金や将来を考えず、自分の時間を大人に売っちゃうんですよね。格ゲー勢は、命と人生をかけてそこで勝ち続けているわけで。まあ大人なのもあるし、しっかりと対価をもらえているんですよ。

いしたに:要するに、ちゃんとしているわけですね。

はつめ:そう。まあ何が言いたいかって言うと、チームの資金量とか、チームとしての器の大きさが参入ゲームで測れるって感じですかね。もちろん、中には他ジャンルの知識がなくて...とか、FPSだけで戦いたい!ってチームもあるけれど。

いしたに:それはなかなか素人ではわからない見方ですね(笑)。

はつめ:自分がそこ出身というのもありますが、本当に「ゲーム業界を盛り上げたい」と思うチームは、わりと格闘ゲームの選手を抱えているイメージです。あとストリーマーを大勢抱えている所も良いチーム!

いしたに:ああ、ちゃんと見せるところも含めてチームを考えているということね。それも納得できる話。

はつめ:この話の怖い部分は、「学生をたくさん抱える=安い値段でeスポーツやってます!」って言えるって感じです。

いしたに:身も蓋もないな(笑)。

はつめ:学生、しっかり生きてくれよな...。

配信とゲームで1日が終わる

いしたに:話を戻しまして、専業プロゲーマーだったはつめさんの生活というか、1日というのはどういう感じですか。

はつめ:極端な話、朝起きてゲームして朝寝てました。

いしたに:それが仕事だもんねえ(笑)。

はつめ:まあ、そうなんですよね。

いしたに:はつめさんがメインとしてた格ゲーなんて、やってなきゃ腕鈍るし。

はつめ:実は格ゲー、意外と染み付く部分が多いので1週間くらいは(練習しなくても)大丈夫です。ただ、正直、ここ数年でプロの生活ってだいぶ変わっていると思います。最近はYouTubeをやってるプロもたくさんいるので。

いしたに:そこは大きな変化ですね。

はつめ:たとえば、撮影のための時間が必要だったり、配信をする時間だったり。まあ中身ゲームなので、ずっとゲームしてるのは変わらないのですが。私の場合、「父ノ背中」(プロゲーミングストリーマー集団)所属時代は、とにかく配信とゲームで1日が終わると言っても過言ではなかったくらいです。あと、チームから来たお仕事がある場合、おうちから出て、イベントに出演したり、東京ゲームショウの時期は世界大会と仕事があるので地獄でしたね。

いしたに:要するにずっとゲームしているということか(笑)。

はつめ:大体あってます(笑)。私の場合、月に1、2回国内のイベントに出演して、月に1回海外に行くみたいな地獄のスケジュールを組まれました。

いしたに:それは多いな(笑)。でもプロゲーマーとはいっても、人前で話すのが苦手な人もいますもんね。

はつめ:わたしも苦手です。モニターに向かってなら、いくらでもしゃべれるんですけどね。

いしたに:それでも、仕事としてやってたわけか。えらいな。

はつめ:でも、はつめとしてのお仕事をしている時は、ちゃんとはつめちゃんになれる人なので頑張ってました。

いしたに:すばらしい。

(次回に続く)

はつめ
現在フリーのストリーマーとして活動している元プロゲーマー。高校時代にesports業界へ飛び込み、18歳にプロ契約。格闘ゲームのプロゲーマーとして、全世界で行われるCAPCOM Pro TourやEVOへも参加。2020年頃よりApex Legendsのゲーム実況をはじめ、当時の最高ランクに昇格するなど、FPSでも活躍している。米国発スポーツアパレルブランド「Kaepa」のブランドアンバサダーを務めている。テレビ番組「お願いランキング!」「王様のブランチ」「マツコ会議」への出演をはじめ、新聞やメディア出演も多数。
Twitter:https://twitter.com/hatsumememe
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCq1FEiGmyh-52yYGeOMTVLA

いしたにまさき
ウェブサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、第5回Webクリエーションアウォード「Web人ユニット」賞受賞。著書に2010年11月に単著「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」など共著も多数。2011 年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザー就任。同年アルファブロガー・アワード受賞。「ひらくPCバッグ」などネット発のカバンデザインも好調。ひらくPCバッグで2016年グッドデザイン賞受賞。Evernote ECL・ScanSnapアンバサダー・HHKBアンバサダー。Yahoo!ニュース個人オーサー。
Twitter:https://twitter.com/masakiishitani
ブログ:https://mitaimon.com/