オルニチンって実際どれくらい飲酒の負担を減らしてくれるの? 忘年会シーズンに知っておきたい効果的な摂り方

   年末は忘年会などで飲み会が重なりがちな時期だ。前日のお酒と疲労感が残ったまま別の飲み会に出席し、さらに体に負担が...そんな悩みを抱える人も少なくないのではないか。「シジミに含まれるオルニチンが二日酔いに効く」というフレーズは良く耳にするが、実際にどの程度効果があるのか。

オルニチンはシジミに多く含まれる
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肝機能のサポートだけでなくストレス軽減効果も

   バイオケミカル事業を展開する協和発酵バイオの学術研究企画室に所属する西村明仁氏は、オルニチンの情報発信や意見交換の場「オルニチン研究会」で公開されている「オルニチンが飲酒翌朝の疲労やストレスに及ぼす影響」を検証した実験を紹介し、オルニチンはお酒に弱い人、強い人どちらも身体の疲労感を軽減する効果を持っていると説明する。

   アルコールの分解能力が低い成人男女16人を1600㎎のオルニチンとプラセボ(比較実験に使われる偽薬)を摂ってもらうグループに分けて実験を行った結果、オルニチンを摂取したグループは睡眠時間、入眠と睡眠維持、起床時の眠気などに改善が見られた。1600㎎は通常の摂取目安よりも多めの量だが、オルニチンが一度の摂取でもしっかり体の負担軽減効果を発揮することを示している。

   さらにシジミと同じく二日酔いに効果ありとされるウコンに含まれるポリフェノール・クルクミンと合わせてオルニチンを摂取すると、クルクミン単体よりもさらに疲労回復効果があることが分かった。実験ではクルクミン30mgとクルクミン30mg+オルニチン400㎎をお酒に弱い男女に摂ってもらい比較したところ、クルクミンだけを摂ったグループに比べて両方をとったグループのほうがより翌朝の疲労感が軽減された。

   お酒に強い人には長期的な実験を行った。毎日ビール1杯以上飲むなど飲酒習慣のある男女42名に対し、8週間かけて毎日オルニチン400mgを摂取するグループとプラセボ(比較実験に使われる偽薬)を摂取するグループに分けて比較したところ(参加者はどちらを摂取しているか知らされていない)、4週目を過ぎたあたりからオルニチンを摂ったグループのほうが起床時の疲労回復を顕著に自覚するようになった。この実験では人体のストレス状態を示すDHEA-S値と血清コルチゾール値も比較しており、8週目にはオルニチンを摂ったグループのほうがよりストレス状態が低いという結果も得られた。

   実験の結果から、オルニチンは単に肝機能をサポートするだけでなく、身体の疲労感やストレス軽減にも一役買うことがわかる。

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