プロレスは試合前から戦いだ! 女子は100キロの鉄柱運び、グッズを売る

【連載】アイスリボン・藤本つかさ 素顔の女子プロレス

   2022年も1月が終わろうとしてます。

   早いですね。

   今年は私にとっても変動の年になりそうな予感がしてます!

   今月、既に10試合ほどプロレスをしました。プロレスの大会は、日本全国どこかしらで毎日開催されているのです。

   だからレスラーもいっぱい!

   「週刊プロレス」選手名鑑に掲載されている日本人選手は、1077人います。

   プロレスラーって個性派の集まりだから、試合までの過ごし方も多種多様!

   その中で、今回はレスラーの試合前ルーチンをお話しします。

2022年のご挨拶
1077分の1!
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会場に着いたら何するの?

   何時に行くの?

   会場に着いたら何するの?

   入場直前に何かする?

   etc...。

   もちろん大会によって変わりますが、お昼開催の東京・後楽園ホール大会のことをお話しすると......。

   会場入り時間は朝8時半。

   そこからリング設営と控え室・売店準備を1時間以内で終え、準備運動をします。

   準備運動も人それぞれ。

   縄跳びをする人、客席の隅から隅まで走り回ってる人、コーナーに立って客席を見渡す人(これ私)、リングの片隅で静かにストレッチをしている人など。

   その後各自メイクや着替え、食事などを済ませ、10時45分に売店スタート。

   11時半から入場式→試合が始まります。

   人によって試合前の願掛けもあります。

   髪の毛を濡らす人もいれば、入場直前でお祈りしてる人もいる。

   私はコレといって決まったルーチンはないものの、試合前よく「特茶」とトマトジュースとヨーグルト「R-1」ドリンクタイプを飲んでます。

   お腹が空いてると途端に元気がなくなるため、入場直前でもおにぎりを食べます。

   急いで食べて、Tシャツにご飯粒がついてたこともありました...。

恐怖のリング設営体験


出会いと別れだけでなく、再会もありました!

   後楽園ホールは控え室が3つ。1つは大きな控え室のため、そこにアイスリボン所属選手が入ります。

   でも 小さな会場の場合、控室が敵チームや対戦相手と一緒になったりする場合も。そんな時は、どちらかがなんとなく階段や廊下などに移動することもしばしば。「これから戦うのに、同じ控え室にいてたまるか!」みたいな感覚です。

   今は新型コロナ対策で、密集を避けるため、1室の人数も少なめ。換気で控え室の窓を開けるので、冬は凍えます。また、コロナ禍ということもあり、大会前に必ず検温をします。そこで微熱がある選手は有無を言わさず試合を欠場させます。ただ、女性の場合生理中は熱が高くなることもあるので、一概には言えず、難しい時代だなと実感しています。

   実は、最近団体内に陽性者が確認できたため、道場マッチ(1月29日)と名古屋大会(1月30日)開催を中止にしました。自分自身も濃厚接触者の可能性もあり、油断できません。なかなか保健所や病院と連絡が取れないことから、いかにひっ迫しているということを実感しました。この場を借りてお礼申し上げます。医療従事者のみなさん、本当にありがとうございます。


写真撮影もコロナ禍はマスク越し

   ところで先程「リング設営を一時間以内で行い」と簡単に書きましたが、リングを作るのって本当大変。

   作ったことはある人?

   だいたいの人が、経験ないはず。

   一番重いのは鉄柱。重さ100キロくらい。これは2人がかりで運びます。

   以前、東京・鶯谷に「東京キネマ倶楽部」というエレベーターがない会場で試合がありました。

   階段を5階くらい上って鉄柱を運んだときは、まるでサウナの中でスクワット1000回した感覚です。ってそんな経験ないけど!

   さすがに試合前からクタクタの汗だくでした。

   もうその会場で試合することはないけど、今思い出してもあのリング設営は恐怖でしたね(怖)。

試合中にリング解体


リング解体

   リングといえば、数年前に神奈川・平塚で大会をしたときにハプニングが!

   いつものようにリング設営をしようと思ったら、リング屋さんが鉄柱を積み忘れてた! リングはその時々で違いますが、この日は東京都内からトラックで運ばれてくる予定でした。

   土台がないので何もできず、待ちぼうけ。

   開場ギリギリで鉄柱が到着し、30分くらいでリング設営を終了させ、試合時間にギリギリ間に合わせるという快挙を成し遂げました(笑)。

   ハプニングといえば、試合中に板が浮かび上がってきたことも!

   リングには板が敷かれています。その板がずれて板同士が重なり、浮かび上がってしまいました。危ないので、試合を中断して直すことに。

   お客さんもいる中で、リング解体と設営。

   急遽トークショーをしながら、リングが完成するまでの模様を実況中継して逆に盛り上がったこともありました。


臨機応変にトークショー!

   プロレスはハプニングだらけ。

   ただし、そのあとハプニング対応力が問われるのもプロレス。

   人生もきっとそう。

   仕事で失敗しても、家庭で失敗してもその後の対応で逆に信頼を勝ち取ることもある。

   せっかくならハプニングを利用しよう。

   メンタル強くなりますよ!

   ということで、今更ですが、今年もよろしくお願いします!

   みなさんにいいことがありますように。

【連載】アイスリボン・藤本つかさ 素顔の女子プロレス

藤本つかさhttps://twitter.com/tsukka0730
女子プロレスアイスリボン所属(https://iceribbon.com/
宮城県利府町出身。利府町観光大使。
東北福祉大学卒業後、広告代理店に就職。上京後、芸能事務所にスカウトされる。プロレスを題材とした映画「スリーカウント」出演のため、2008年プロレス団体アイスリボンの練習に参加したところからプロレスラー人生が始まる。
2015年アイスリボン取締役選手代表就任。18年には東京スポーツ新聞社制定女子プロレス大賞受賞。21年8月23日デビュー13周年を迎える。

【アイスリボン公式YouTube】
https://youtube.com/user/iceribbon
【藤本つかさ公式YouTube】
https://youtube.com/channel/UC_V0vfhOMxE9bCVvxjJ9JBw

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