メールの冒頭「お世話になっております」 いつ定着?代わりにどう書けば?

   仕事でメールを書く際、冒頭の決まり文句「お世話になっております」が面倒なのにやめられない。理由は「社内の印象」?

   ビジネスチャットの「Chatwork」(大阪市)は、「2022年ビジネスコミュニケーション最新調査」の結果を8月26日に発表した。メール送信時に「お世話になっております」「よろしくお願いします」といった定型文を使用していると答えた人は83.6%。それを面倒だと感じつつ、慣習だからやめられないと思っている人も多いようだ。

社会人1年目の人は、「個性を出すより、『お世話になっております』を使った方がいいのではないでしょうか」と安田氏
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表現自体に違和感

   調査結果によると、メールで「お世話になっております」を使用している人のうち「面倒」と感じている割合は50%。同様に「よろしくお願いします」は39.5%という結果が出た。

   こうした「面倒なビジネスマナー」がやめられない理由で最も多い回答は「慣習だから」の68.6%。その他に「社内の人から『失礼だと思われたくない』」が49.0%で「社外の人から『失礼だと思われたくない』」(42.5%)を上回る結果に...。

   ルポライター・安田峰俊氏の著書「みんなのユニバーサル文章術 今すぐ役に立つ『最強』の日本語ライティングの世界」では「お世話になっております」について、2000年代前半の比較的短期間で定着したと、その歴史を紐解きながら説明している。

   安田氏に取材した。「お世話になっております」が幅広く使われているのは、「『みんなが使っているから』以外に理由はないと思います」と言う。この表現自体に違和感を持つ人も多いだろうとも、話した。

   では、受信したメールの冒頭が「お世話になっております」となっていた場合、どう返事をすればよいだろう。

   安田氏は「(『お世話になっております』を)使ってしまった方が無難であれば、使った方がいいのではないか」とした上で、抵抗感がある場合の2つの解決方法を提示した。1つは、「おはようございます」や「ご連絡拝受いたしました」など、丁寧な表現を使った返信だ。

「腹を立てることはあまりない」

   もう1つは、「文面を3つ4つ考えてストックして、代わる代わる使うのも手だと思います」と安田氏。こうする人が増えれば「『お世話になっております』が一気に廃れる可能性はあるなと見ています」。

   しかし、新しい表現を使うのは不安ではないか。安田氏は、「取引先から『お世話になっております』以外で始まるメールをもらって、腹を立てることはあまりないと思います。受信して不快に思うのは、文面が良くない場合でしょう」と指摘した。

   前出の「2022年ビジネスコミュニケーション最新調査」の結果についても、聞いた。調査では社内向けの配慮が大きいという結果を前提に、「何かを賭けてまで変える必要はないので、『お世話になっております』でも、しょうがないのではないかと思います」と理解を示した。その上で、「自分が権限を持った時に使わないようするのは、可能でしょう」。

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