「インフルエンザワクチン」接種する・しない? 「今までかかってないから...」

   インフルエンザの感染者数が爆増している。厚生労働省は毎週、全国約5000の定点医療機関からインフルエンザの感染状況の報告を受けて取りまとめている。10月16日~22日には、患者数は「8万1160人」と報告された(前週は5万4709人)。既に警報、注意報レベルを超えている区域が全国に複数みられる。

   東京都保健医療局の23年9月21日付け発表資料によれば、インフルエンザは「例年12月から3月にかけて流行する」ものの、昨年から今年にかけては、散発的にインフルエンザが発生している。ワクチンを打ち、対策しようとしている人はどのくらいいるのか。J-CASTトレンドは、10~50代の男女20人(男女、各10人ずつ)を対象に調査を行った。

インフルエンザワクチン接種、今年はどうする(画像はイメージ)
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「かかった」後に接種

   まず、「去年までのインフルエンザワクチン接種状況」について聞いた。結果は「ほぼ毎年打ってきた(9人)」、「あまり打ったことはない(2人)」、「時と場合に合わせて打っている(9人)」。

   上記を踏まえ、今年の接種状況と理由を聞いた。

既に接種済み:4人
これから打つ:10人
打たない:4人
分からない:2人

   接種済みの人からは、「今年は早い時期から流行しているので、早めに接種した」、「会社が接種推進をしていて会社で打てるから」といった声が上がった。また、接種を済ませてはいるものの「家族から、打てと言われたので」と、自発的ではなかったといった向きも。

   中には、ワクチンを打とうと考えていたのに、接種前にインフルエンザにかかってしまった人もいた。「10数年ぶりに40度越えの熱にうなされ、もう二度とかかりたくないと思った」ので、インフルエンザが治った後でワクチン接種もしたと話した。

   「これから打つ」人たちには、こんな理由がある。

「インフルエンザが拡大傾向にあるというニュースを耳にする機会が増えた。仕事や予定をインフルエンザに罹患したことで飛ばしたくないので接種したい」
「ワクチンの有効期間は、3~6か月と聞いている。感染のピークとされる12月以降にワクチンの効果が最大限に発揮されていてほしい」

   では「打たない人」たちの考えはどうか。「今までインフルエンザにかかったことがないので今後も打たない」、「打ってもかかるし、わざわざ病院にいきたくない」など、これまでの経験をもとに決める声がある。その他、「時間がない」、「ワクチンを打つには、割と値段がかかる」といったように、費用や時間がネックになっているとみられる意見も出た。

   年代別に見ると10代は、親と一緒に接種しにいくためか「既に打っている」、または「打ちにいく」傾向が目立つ。40~50代も「打っている」、「これから打つ」傾向にあった。

   一方、20~30代は、「打つ」「打たない」で、おおよそ半々に分かれた。

「重症化」を予防

   厚生労働省の「令和5年度インフルエンザQ&A」ページには、ワクチンの効果、有効性についての説明がある。

   現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではない。ただ、インフルエンザの発病、さらに発病後の重症化や死亡を「予防する」ことに関しては、一定の効果があるとされる。

   インフルエンザウイルスは口や鼻、眼の粘膜から体の中に入り、細胞に侵入・増殖する。ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱、のどの痛みなどの症状が出現する(=発病)。発病後、多くは1週間程度で回復するが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療が必要になったり、死亡したりする人もいる。特に基礎疾患がある人、高齢者は重症化する可能性が高いのだ。このような記述がある。

「国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています」

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