2016年、参加者はナミビアのサハラ砂漠を1週間で踏破した。左から6番目が、金基鎬さん。(写真・Small Bell Sound、以下同)
この時に参加したあんまマッサージ指圧師の村木貴広さんは、遺書を書いて出発したという。それほど不安だった。
視覚障がい者は、伴走者のリュックにつけた通称「絆ロープ」をしっかり握って走る。
砂漠といえ、大きな石がごろごろしている場所もある。伴走者が、「スートン!(石だ!)」と教えてくれても、避けられずに転倒することもしばしばだ。
スタート直後は他の参加者が見える。しかし、20kmも差が付くと、前に走った人の足跡だけが頼りだ。「足跡には国籍も宗教も関係ない」と金基鎬さんは覚醒した。