「両足院」と彫られた堂々たる扁額(へんがく)を見上げる片山真理子。文字は朝鮮通信使が筆をとったものである。彼らは教養が高く、書をよくした。他の禅宗寺院にも朝鮮通信使が書いた扁額を掲げているところがある(写真・渡辺誠、以下同)
両足院には4つの蔵がある。ここは本蔵で、片山が助成事業の調査対象にした蔵。朝鮮美術関連の書画、巻物などを整理、調査して、花園大学禅文化研究所にいったん移設した
長年、未整理だった本蔵の収蔵品。片山の整理と調査で光が当てられた。膨大な資料を細部まで検討、分類して整理台帳を作る。その後、200年、300年という長い目で何を残していくかを両足院に提案する
ハングルで「朝鮮国」と書かれた甕器(オンギ)。おおらかな作りはいかにも朝鮮の焼き物らしい。「今の私たちがイタリアでオリーブオイルを買って、気に入った瓶を残しておくようなものだったかも」と片山
両足院の副住職・伊藤東凌師と語り合う。副住職は座禅会などを開き、禅に馴染みのない人たちも気軽に足を運んでもらいたいと考えている