<テレビウォッチ>「面白い会見でしたねぇ」と小倉智昭が笑った。
きのう(6月26日)行われた飛騨牛偽装の「丸明」吉田明一社長(66)の記者会見は、1時間45分という長時間にもかかわらず、何にも伝わってこない奇妙なものだった。
吉田社長は、「ご迷惑をおかけしたことをお詫び申しあげます。また、従業員のせいにしたことをお詫び申しあげます」と、偽装への関与を認めて神妙に頭をさげたのだが、実際の経緯の説明は、甥だという広報担当がしゃべった。
内容は、◇等級の偽装◇加工処理の日付を数回、最大5日ほど改ざん◇古い肉を混入させたーーこれらはすべて社長の指示によるものだった、と。本人は、下をむいたまま「申しわけありません」と頭を下げるだけ。
しかし、きわどい質問になると、「おたくの判断にお任せします」と開き直ったようないい方も出て、印象はだんだん悪くなる。とくに、30分経って弁護士が会見をうち切ろうとしたのを聞き入れず、口を開き始めると、謝罪会見とは思えない様相になってきた。
責任は? 「身をひきたいという気持ちはあります。ヒラからやり直します」
豚肉の産地偽装は? 「ありません」
安い豚肉の名前を変えて高く? 「ありませんですよ」と色をなす。広報担当の「社長落ち着いて」という静止も無視してしゃべり続ける。
とうとう、「偽装しようなんて思ってません」
会見には、従業員も出ていて、最後に「一言いいですか?」と手をあげたが、「先ほど謝ってる」と無視。従業員は、「子どもやん」「上っ面だけの謝罪だった」という。
小倉は、「この社長、悪いと思ってやってなかったようですね」
レポートの平野早苗も、「本当に謝罪してるのかな、と『?』がいっぱいつく内容だった。質問と答えもかみあわず、同じ問いが何度もでたりして、長くなってしまった」という。
諸星裕は、「ああいう社長だとああなっちゃう。アメリカだったら絶対に(会見に)出さない。しっかりした者がでてくる」
小倉は「ミートホープしかり、(船場)吉兆もしかり、ここも存続が危ないですよ。会見がかえって会社の危機になっちゃう。でも面白い。ヒラからやるって言ってるでしょう。社長やめても会社は自分のもんだと」と笑った。
平野は「買い付けは社長以外にできる人がいないんだそうです。だから、いまいなくなると会社が存続できないから、従業員も仕方がないかなと」
「そんなもの業界から人を雇えばいいこと」と諸星。
小倉は、「会社は自分のもんだと思ってるんでしょう。根本的にわかってない」
でも、「会社は自分のもんだ」と思ってる社長がやってる無数の会社が日本を支えているのも、また事実。
*<編集部注>*
J-CASTテレビウォッチで連載中の「横澤彪のチャンネルGメン69+1」が、「テレビの貧格」(東洋経済新報社、1400円=税別)として出版されました。出版を記念して、テレビウォッチでは、横澤さんの直筆サイン入り「テレビの貧格」を5人の方にプレゼントします。みなさんに川柳に挑戦して頂き、「優秀賞(Gちゃん賞)」に選ばれた5人の方へ郵送させて頂きます。詳しくは以下の記事に載っています。なおケータイからは、応募欄へのアクセスはできません。PCのご使用をお願い致します。
*「『川柳で 横澤さんに 挑戦だ』 サイン本プレゼント」(2008年6月24日)