「妻を心臓発作で死亡させたい」 呪い代行サイトとは一体何か

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   殺人事件の論告求刑で、被告の殺意の根拠の1つとして「呪い代行サイト」にメールを送っていたという点が指摘された。呪術の専門家が依頼者に代わって相手を呪い殺したりする儀式を行うサイトで、ネット上にはこうしたサイトが大量にある。

   中日新聞によると、2008年に愛知県の木曽川で、離婚調停中だった妻(当時28歳)にスタンガンを当て水難事故に見せかけて殺害したとして、殺人罪に問われた会社員(44)の論告求刑公判が名古屋地裁で2011年6月29日行われ、検察側は懲役20年を求刑した。

「呪殺」は最も高額50万円以上

   被告の殺害を示す直接証拠はなかったが、検察側は、妻の腹部にスタンガンが当たったと見られる皮膚の変色があったほか、被告が事件前にネットの呪い代行サービスに「妻のみを心臓発作により死亡させ、子どもを引き取りたい」と送信していたことなどを挙げ「被告には強い動機があり、事故死ではないのは明らか」と主張した。

   呪い代行サービスとは、呪術の専門家、もしくは呪術に詳しい人が依頼者に代わって呪いを行うサービスのこと。ネット上で「呪い代行」と検索すると、藁人形を木に打ち付ける古典的な「丑の刻参り」を代行するものから、西洋魔術をベースに「悪霊を呼び出します」といったものまで様々なサイトが出てくる。

   メニューも色々あり、相手を病気や事故に遭わすといったもののほか、恋愛成就や出会い、自身の幸運を願う「おまじない」のようなものもある。料金もマチマチだが、どこのサイトでも最も高額なのが相手を殺す「呪殺」。高いところでは50万円以上し、「責任を持って対象者が亡くなるまで儀式を継続いたします」としている。

「呪い代行は根本的な解決にはならない」

   どの程度効果があるかは不明なものの、「2か月弱かかりましたが、長年の恨みを抱いていた上司が突然体調を崩し急性白血病 と診断されました。その後、入院が長引き奥様まで看病疲れで入院、今も夫婦で入院をしています」といった「依頼者の感想」を掲載するサイトもあった。

   ただ一方で、ある呪術業界関係者は、

「サイト立ち上げて依頼のメールフォームを作ればいいだけですから、呪いの知識なんかなくて何にもできない人でもできますし、最悪、依頼を受けても実際には呪いを行っていないかも知れません。でも、呪いというのは形がある訳じゃないですし、依頼者が信用できる人ならば正直、代行するのは誰でもいいのです」

と話す。呪いを代行してもらうというのは、自分の中にある怒りや妬みといった負の感情を代行者に預けるということでもあり、それだけで少なくとも自分の中には変化があるという。ただ

「相手を不幸にする呪いをしてそれが上手く作用したとしても、変化が起きるのはあくまで現実の世界。呪われるほど憎まれていた人がストレスで脳溢血になるということもあるかも知れませんが、現実的な範囲での変化になります。また、呪いの世界では相手を呪うと3倍になって自分の方に返ってくる『3倍返し』という言葉もあります。そもそも誰かを呪いたいと思ったとしても、自分の中にそうした負の感情を起こす種がある限りは根本的な解決にはなりませんよね」

   ちなみに、こうした呪い代行サービスに違法性があるかどうかについては「呪い殺すこと自体は日本の刑法に問われないとされていますが、呪い殺そうとしていることを相手に伝えれば脅迫罪などになる可能性があります。今のところ呪い代行で摘発されたというケースは聞いたことがありません」ということだった。

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