シカの食害が広がる 「捕獲のプロ」育成が必要だ

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   日本各地でシカが農作物や森林の樹木を荒らす食害が深刻になっている。鳥獣保護区を減らし、捕獲に取り組むなど官民挙げての対策が動き始め、シカの肉を使った料理の普及の動きも広がる。自然保護と人間生活をどう両立させるか、人間の知恵が問われている。

鳥獣保護区の削減に踏み切る自治体が続出

シカの肉を使った料理の普及も
シカの肉を使った料理の普及も

   農林水産省のまとめでは、野生鳥獣による農産物被害額は2011年度に全国で226億円、うちシカによる被害は過去最高の83億円に達しており、2005年から倍増している。林野庁によると、シカやクマなどによる森林被害面積は2011年度に約9400ヘクタールで、うちシカが5700ヘクタールと6割を占める。

   シカは本州中央部を中心に生息するニホンジカのほか、北海道のエゾジカ、屋久島のヤクシカなど各地に生息。明治以降は乱獲のため各地で激減したが、戦後、保護策が取られ、数は次第に回復していった。生息する頭数の正確な統計はないが、地球温暖化によって冬の餓死が減ったことや狩猟者減少による捕獲数減で増え過ぎた状態ということだ。

   そこで、狩猟を禁じて動物を保護する鳥獣保護区の削減に踏み切る自治体が続出している。保護区は地元自治体などの意見を聞いて国または都道府県が指定するが、例えば茨城県は2010年に常陸太田市の意見を受けて同市内の保護区の更新を見送っている。食害に悩む地元住民からの嘆願書を受けてのことという。

   こうした保護区の削減を朝日新聞が集計したところ、2007~2012年度の6年間に全国で約9万2000ヘクタールの保護区が廃止・縮小され、2012年末時点で、全国で約362万ヘクタールになった。削減分のうち8割近くがシカやイノシシによる被害が理由という。

   各地で、懸命の対策が取られている。ミズバショウの3分の1が食害にあうという国立公園・尾瀬(群馬、栃木、新潟、福島県境)では、4月から群馬県や地元猟友会などが協議会を作り、150頭の捕獲を目指し、200個のわなを仕掛ける取り組みを始めた。富士山でも、林野庁関東森林管理局と独立行政法人森林総合研究所が共同で、静岡県内の国有林をモデル地区として、シカの捕獲のほか、植生回復の技術開発に取り組む。東京都内でも、ワサビを中心に食害が増えている奥多摩町は年間1400万円で猟友会に駆除を委託、都内最高峰の雲取山(2017メートル)の山頂まで都のヘリで猟友会員を運んで下山しながら捕獲するなどの取り組みを進めている。

「日本で初のエゾシカ専門カフェ」

   一方、捕獲したシカの肉の料理を広げる動きは広がっている。環境省によると、狩猟などで捕獲されたシカは2010年度で36万3100頭になるが、食材として活用されるのはごく一部。山で捕獲して麓まで運んで解体して出荷する労力が大変だからで、大半はそのまま埋められるなど廃棄されている。

   こうした無駄をなくそうという取り組みで、最も先進的なのが北海道のエゾシカ。牛に比べてカロリー3分の1、鉄分やミネラルも豊富なヘルシーフードというのがウリで、道は2006年に食肉処理のガイドラインを策定して活用支援を本格化。2011年度には2004年度の2.4倍の385トンを食肉として処理。これは捕獲全体の14%程度になるという。首都圏などでの販売も増えているといい、東京・三軒茶屋には「日本で初のエゾシカ専門カフェ」という「エゾシカフェ」という店も登場している。

   熊本県で1、2月に高級飲食店15店がシカなど野生鳥獣の肉料理を一斉にメニューに加えるイベントを開催、長野県は料理人や猟師らと「研究会」を設立して調理講習会を開催、和歌山県は地域おこしとして食肉処理施設を整備しているという。

   こうした食肉の流通システム整備などを、効率的な捕獲とうまく結びつけることが重要だ。そこでの最大のネックは捕獲の担い手不足は深刻。高齢化などで、狩猟免許を持つ人は2010年度で19万人と、過去40年で3分の1に落ち込んでいる。

   環境省などは効率の良い捕獲の研究、実験を進めている。そこで注目されるのが「シャープシューティング」で、捕獲し損なった個体は警戒心が強いスマートディアー(賢いシカ)になり、それが群れ全体に波及して狩猟が困難になるのを防ぐため、群れの全頭を一度に捕獲するという米国で考案された方法。北海道・知床ではこうした取り組みが成果を上げている。趣味で狩猟する人だけでなく、こうした捕獲を担う「プロ」の育成に本格的に取り組む時期に来ているといいのが、多くの専門家の一致した見解だ。

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