三陸鉄道、国費100億投入して全線復旧 霞が関から漏れる「鉄道はムダ、BRTで十分だった」の声

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   東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道が2014年4月6日、約3年ぶりに全面復旧した。復旧には「復興加速に向けた原動力」として期待がよせ寄せられるものの、三陸鉄道は20年連続で赤字を計上しており、「動かせば動かすほど赤字が出る」状況だ。

   復旧費用の大半は国費でまかなわれており、霞が関の中からは「鉄道で復旧するのは無駄。BRT(バス高速輸送システム)で十分だった」「『マル政』(筋悪の政治家案件)なので仕方ない」といった声すら漏れ聞こえてくる。

   太平洋沿岸には、他にも不通になったままの鉄道が残されている。地元自治体は鉄道での復旧を望む一方で、JR側はBRTに前向きだ。今後、復旧の方法について「攻防」が激しくなりそうだ。

施設や敷地の所有権を自治体に移し、国が自治体を支援する

3年ぶりに全線が復旧した三陸鉄道(2010年撮影)
3年ぶりに全線が復旧した三陸鉄道(2010年撮影)

   太田昭宏国土交通相は4月5日と6日にかけて行われた記念式典に出席し、

「被災地を勇気付けるとともに、今後の更なる復興の加速に向けた原動力になると確信している」

と三陸鉄道にエールを送った。だが、実際は前途多難だ。「週刊東洋経済 鉄道徹底解明2014」によると、三陸鉄道の営業係数(100円の収入を得るためにかかる経費)は、11年度は335.4で06年度は135.2。震災前の段階でも、黒字からは程遠かったことがわかる。

   2014年3月末に発表された13年度の決算では、経常損失が前年比60.9%増の2億2142万円。20年連続で赤字を計上することになった。13年4月~14年2月の乗客数はNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で同鉄道が舞台になったこともあって、前年同期比1.3倍の約46万7000人と大幅に増えた。全線運行再開を受け、14年度には83万1000人の利用を目指すが、「あまちゃん」人気が下火になることは確実で、目標が達成できるかは不透明だ。

   三陸鉄道の復旧にかかった約92億円は、ほぼ全額国費でまかなわれた。鉄道会社に税金の直接投入は難しいことから、三陸鉄道が所有する施設や土地の所有権を一度自治体に移し、政府が自治体を支援するという異例の枠組みも設けられた末の全線復旧だった。

   こういったこともあって、国交省や財務省では「BRTで十分だった」といった声もあったようだ。BRTとは、線路があった場所にバス専用道を作ってバスを走らせる仕組み。「閉塞」と呼ばれる鉄道独特の信号システムを整備する必要がない上、走らせる車両が気動車ではなくバスで済む分、割安だとされる。

気仙沼線では鉄道とBRTで「一桁違う」復旧費用

   例えば11年に国交省が示した気仙沼線の復旧費用の試算では、全線鉄道の場合が数百億円かかるのに対して、全線BRTでは数十億円と「一桁違う」金額になっている。このこともあって、大船渡線、気仙沼線については「最終的には鉄道で復旧させる」という前提条件がついているものの、沿線自治体の同意も得られてBRTで「仮復旧」されている。

   ただ、この2路線の営業係数は600程度。この2路線と比べれば三陸鉄道ははるかに健全経営で、これに政治判断が加わって比較的早期の鉄道全線復旧が実現できたようだ。

   現時点でも、太平洋側には不通区間が多く残されている。その中で焦点になりそうなのが、三陸鉄道北リアス線の南端、宮古駅と南リアス線の北端、釜石駅を結ぶJR山田線だ。この山田線は現時点では運行再開のメドは立っていない。政府は黒字企業のJR東日本に財政支援を行うことができないため、約210億円かかる復旧費用の財源をどうするかが課題になっている。

   また、14年1月には、JRが施設を復旧させた上で運行を三陸鉄道に移管する案が提案された。仮にこれが実現すれば、三陸鉄道としては北リアス線と南リアス線を一体で経営できるようになるが、山田線は営業係数が軽く600を超える赤字路線。JRの提案には、早くも「赤字路線を地元に押し付けようとしている」といった批判も出ている。

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