2024年 4月 29日 (月)

戦闘機異常接近、中国政府のとんでもない言いがかり それに乗って日中危機をあおる中国メディア

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   中国の戦闘機が日本の自衛隊機2機に異常接近し、これまでになく中国の軍事的挑発がエスカレートしている。中国とロシアは合同軍事演習を行っているが、自衛隊機は公海上の演習と関係ないエリアで収集活動行っていた。にもかかわらず中国側は、日本側が「合同演習を偵察、妨害するために防空識別圏(ADIZ)を侵犯した」などと、言いがかりに近い主張を展開している。

   2001年には中国機が米軍機につきまとった末に接触するという事故も実際に起きており、同様の事態が繰り返されるリスクも出てきた。

中国は「合同演習を偵察、妨害するために防空識別圏を侵犯」と主張

自衛隊機に異常接近した中国軍のSU(スホーイ)27戦闘機(防衛省撮影)
自衛隊機に異常接近した中国軍のSU(スホーイ)27戦闘機(防衛省撮影)

   今回の事態は、防衛省が2014年5月24日夜に発表した。発表によると、同日午前11時と正午ごろ、東シナ海の公海上空で海上自衛隊の画像情報収集機OP3Cと航空自衛隊の電子測定機YS11Bが、中国軍のSU(スホーイ)27戦闘機2機の異常接近を受けた。海自OP3Cには約50メートル、空自YS11Bには約30メートルの至近距離にまで近づいたという。小野寺五典防衛相は翌5月25日の会見で、

「未だこのような、近接して接近するような中国戦闘機の飛行というのはかつてなかった」

と事態の特異性を強調しながら、公表に踏み切った理由を説明した。

   中国国防省の反応も素早かった。5月25日の声明は、日本の2機が「中ロ合同演習を偵察、妨害するために東シナ海上の防空識別圏(ADIZ)を侵犯」したため、中国側は「演習に参加している戦艦や飛行機の安全を守り、演習をスムーズに進行させるための識別、予防措置」を行ったと主張。日本側の行動が原因で、上空で不測の事態が起こる可能性もあるとすら主張した。中国が主張するADIZと日本のADIZの区域は一部が重複しているが、日本は中国のADIZを認めていない。

環球時報「見識のある人は、すぐに日本側が本当の挑発者だと分かるはず」

   中国メディアも、国防省の発表に乗る形で日本批判を展開し、日中危機をあおっている。

   中国共産党系の環球時報は5月26日朝、「日本は東シナ海情勢の危険の度合いを臨界点に近づけようとしている」と題した社説を掲載し、事態の責任を日本側に転嫁した。社説では、

「日本側は『挑発を受けた』というイメージを作り出して国際世論を誘導しようとしている。だが、見識のある人は、すぐに日本側が本当の挑発者だと分かるはずだ」

だとして、中国側の行動は、日本側から中露合同軍事演習部隊の安全を守るためだったと主張。その上で、

「24日のようなことが東シナ海で常態化すれば、日中関係の悪化はこれまでにないレベルに達するだけではなく、両国の間に空いた溝には暴風雨が訪れるだろう」

などと警告した。


菅義偉官房長官は5月26日の会見で、
「自衛隊機が中国機に異常接近されたのは、中露の演習区域外」
「防衛省、自衛隊は我が国に周辺海域において、鑑定航空機を用いた警戒監視活動を必要に応じて行っており、こうした活動は国際法にのっとった正当な行為。駐露海軍合同演習を妨害するような危険な行為を行ったという事実は一切ない」

と中国側の主張に対して全面的に反論した。

2001年には海南島沖で米軍機と中国機が衝突

   日中の主張で共通しているほぼ唯一のポイントが、「不測の事態を避けるべき」だという点だ。実は「不測の事態」は、13年ほど前に米国と中国との間で実際に起こったことがある。

   01年4月1日、海南島南東110キロメートルの南シナ海上空の公海上で、偵察活動を行っていた米海軍の電子偵察機EP-3Eと中国軍のJ-8II戦闘機が接触。中国機は墜落してパイロットが行方不明になり、米海軍機は海南島に不時着し、乗務員は身柄を拘束された。事故原因をめぐる米中の主張は平行線で、機体返還の合意が発表されたのは5月24日のことだった。

   こうした事態を避けるために、小野寺防衛相は5月26日の参院決算委員会で、日中間の防衛当局者が連絡を取り合う「海上連絡メカニズム」を海だけではなく空についても充実させる必要性を強調した。

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