キヤノン、高値づかみ?でも欲しかった東芝医療子会社 ライバル富士フイルム「極めてトリッキー」と問題視

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   「滅多にない出物」として注目を集めていた東芝の医療機器製造販売子会社「東芝メディカルシステムズ」(栃木県大田原市)を、キヤノンが買収する。東芝は2016年3月17日、東芝メディカルを6655億円で売却すると発表。

   キヤノンは成長分野とされる医療機器事業を強化し、新たな収益の柱に育てたい考えだが、巨額の買収金額に早くも「高値づかみ」との指摘も出ている。

  • キヤノンが買収に踏み切ったことを、あせりと見る向きもある
    キヤノンが買収に踏み切ったことを、あせりと見る向きもある

価格つり上げ競争で、利益の37倍の売却額

   東芝が子会社売却を迫られたのは、不適切会計の影響で業績が急速に悪化したためだ。東芝メディカルは、東芝が半導体、エネルギーに次ぐ第3の成長分野として注力してきたヘルスケア部門の中核企業で、黒字も確保していた「優良企業」だが、背に腹は代えられないということで、15年末に売却方針を表明。すると、キヤノンのほか、富士フイルムホールディングス、コニカミノルタなど有力企業や投資ファンドが殺到し、入札に参加した。

   売却額は当初、4000億円程度との観測も出ていたが、入札参加者による価格つり上げ競争に発展。売上高2799億円、営業利益177億円(2015年3月期)の東芝メディカルの値段は7000億円近くまで膨らみ、売上高の2倍以上、利益の37倍超に達した。

   東芝にとっては、税引き前で5900億円の利益を手にすることになり、経営危機はひとまず一服するが、キヤノンにとってはどうか。

   眼科用のカメラなどを扱うキヤノンの医療機器事業の売上高は年間で数百億円規模とされる。コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などで世界的にも一定の競争力がある東芝メディカルを手に入れることで、医療事業は一気に千億円単位の事業に「飛躍」する。同社の高成長を支えたデジタルカメラ部門などの伸び悩みが懸念される中、是が非でも、新たな柱になる事業を育てる必要に迫られているのだ。

   だが、今回の売却劇には、売却手法への疑問も指摘される。

   東芝は3月17日の発表資料で「東芝メディカル売却の決済は完了した」と明記したが、実際にキヤノンが東芝メディカルを子会社化するのは各国の競争法(独占禁止法)規制当局から「お墨付き」を得た後になり、日本の独禁法では、公正取引委員会が届出を受理した日から30日間は株式を取得できない「禁止期間」とされる。そこで、苦肉の策として、当局の審査期間中は、第三者である「MSホールディングス」がメディカルの議決権を保有するとした。MSホールディングスは住友商事名誉顧問、元東京高裁長官らが取締役を務める特別目的会社(SPC)で、資本金は3万円。東芝は経営危機から脱するため、2016年3学期末に債務超過寸前という財務を立て直すために、東芝メディカルの売却益を同期中になんとしても計上する必要があった。SPCを間に挟むことで、これが可能になったというわけだ。

キヤノンの資金余力に懸念も

   これについて、買収に手を挙げて敗れた富士フイルムが「極めてトリッキーなやり方」と批判し、室町正志東芝社長宛に質問状を送る騒ぎに発展しているように、問題ありとする指摘が少なくない。

   キヤノンが、問題含みの手法にも目をつぶってまで買収を急いだことに、あせりを見る向きもある。2020年の業績目標として、売上高5兆円以上、営業利益率15%以上を掲げているが、足元の業績を見ると、2016年12月期の連結営業利益は前期の3552億円から1%増の3600億円と、2期ぶりのプラスを見込むが、それでもピークだった2007年12月期の半分以下にとどまる。

   もちろん、2015年末で自己資本比率は67%、現預金は6336億円、借入金はわずか15億円という強固な財務体質は健在だ。

   それでも、キヤノンは2015年にネットワークカメラ世界大手のアクシスコミュニケーションズの子会社化に約3000億円を投じており、同業他社が「あまりにも高額だ」と驚く今回の東芝メディカルを合わせると、買収金額は年間売上高の4分の1を超える。このため、市場では「成長分野など機動的に資金を回す余力が失われていくのではないか」(外資系証券)との懸念も出始めた。

   買収効果をいかに早期に発揮するか、キヤノンの経営のスピードと実行力が問われている。

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