建造量世界一も「今は昔」 苦境の造船業界「大再編」あるのか

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   かつて世界一の建造量を誇った日本の造船業界が苦境に陥っている。

   重工各社は相次いで事業縮小や他社との提携強化を進めており、今後、業界全体を巻き込んだ再編が加速する能性もある。

  • 造船業界では他社との提携強化が進んでいる(写真はイメージ)
    造船業界では他社との提携強化が進んでいる(写真はイメージ)

三菱重工は納期遅れで損失2400億円

   「欧米向けの大型客船はコスト的に全然成り立たない。当分無理だろう」。三菱重工業の宮永俊一社長は2016年10月18日の記者会見で、苦渋の表情を浮かべて大型客船建造からの撤退を発表した。

   同社が欧米のクルーズ会社から受注した大型客船2隻の建造で積み重ねた損失は約2400億円にも及ぶ。大型客船の設計や建造には特別なノウハウが必要だが、発注元が求める最新鋭の内装や設備に経験や技術が追いつかず、何度も作業をやり直すなどして納期が遅れたためだ。

   ピンチに陥っているのは三菱重工だけではない。川崎重工業は9月末、造船事業の採算が悪化しているとして、存廃を含めて検討することを表明した。IHIも10月24日、コストが膨らみ業績を圧迫している資源掘削船など海洋関連事業について、抜本的な対策を検討すると明らかにした。三井造船も、船舶部門の苦戦で2016年9月中間連結決算が23億円の営業赤字に沈んだ。

   1956年から半世紀近く世界首位に君臨した日本の造船業がここまで苦しんでいる原因の一つは、中国など新興国の景気減速に伴う市場の低迷だ。2000年代、中国の経済成長を見込んで大量に船が発注された反動で、足元は船余りの状態が続く。日本造船工業会によると、15年に環境規制強化前の駆け込み発注が急増した反動もあって、16年1~8月の日本の受注量は前年同期の2割程度に激減した。

「高付加価値で差別化」戦略が裏目に

   日本勢の戦略ミスも大きく響いた。低コストを武器に00年代に台頭した中国・韓国勢に対抗するため、大型客船や海洋資源開発船など高付加価値の船で差別化を図ろうとしたが、技術やノウハウ面で壁に突き当たり、巨額の損失を計上する羽目になった。

   窮地に追い込まれた業界に打開策はあるのか。三菱重工は、大型客船建造からの撤退に加え、今治造船(愛媛県今治市)、名村造船所(大阪市)、大島造船所(長崎県西海市)と進めている提携協議を加速させる。今後、三菱重工が技術力を生かして設計を担い、コスト競争力のある造船専業3社が建造を行うなど、協業を強化する方針だ。造船業界では「4社が本気になって連携すれば手強い」(他社幹部)と警戒する声も上がっている。

   川崎重工、IHIも17年3月末までに具体的な構造改革方針を出す予定だ。川崎重工と三井造船は過去に経営統合を模索したが、13年に破談となった経緯がある。厳しい造船不況の中、再び他社との提携を模索する可能性もありそうだ。

   ただ、再編して国際競争力を取り戻すには、国内の造船所の閉鎖・統合が避けられないとみられ、下請けも含めて大規模な雇用が失われる恐れがある。日本の造船業界がかつてのような輝きを取り戻す道は険しい。

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