英米豪の新需要、掘り起こせるか 外国人旅行者の伸び率が鈍化

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   2016年の訪日外国人旅行者数が2403万9000人となり、15年の1973万人を22%上回り、暦年で過去最高を更新したことが、観光庁の調べで分かった。16年は暦年で過去最高を更新したものの、伸び率は2015年の47%から半減し、鈍化傾向が鮮明になった。安倍政権は訪日外国人旅行者を「20年に4000万人、30年に6000万人」に増やすとしているが、達成できるか微妙な情勢だ。

   17年1月10日、公表した。これまで訪日外国人旅行者が右肩上がりに増えたのは、政府が11年に中国人の個人観光ビザを3年間有効なマルチビザにするなど規制緩和を進めたためだ。この結果、中国はじめアジアを中心に訪日外国人旅行者が急増し、13年に1000万人を突破。16年は暦年で初めて2000万人を越えた。しかし、伸び率では15年の47%に届かず、16年は22%と半減した。観光庁は15年度をベースに毎年15%ずつ伸びれば、政府目標を達成できるとみており、「目標に向かって堅調な伸びを示している」(石井啓一国土交通相)という。

  • 2020年までに4000万人は達成できるのか
    2020年までに4000万人は達成できるのか

JTB動向調査では2017年も過去最高更新の見通し

   果たして今後も、毎年15%もの訪日外国人旅行者を増やすことができるのだろうか。JTBの旅行動向調査によると、2017年の訪日外国人旅行者数は16年比12.0%増の年間2700万人となり、過去最高を更新するものの、伸び率は早くも15%を割る見通しだ。JTBは「2017年は円安が続けば外国人が日本へ旅行しやすい環境となるが、中国やアジアの経済状況の変化によって訪日外国人旅行者の動向も影響を受ける。このため伸び率は昨年よりも鈍化する」と予測している。

   もちろん政府も手をこまねいているわけではない。これまで訪日外国人旅行者の誘致は、中国や韓国などアジア周辺国がメインだったが、2017年度は「滞在期間の長い欧米豪を中心に、新たな需要を掘り起こす」という。海外の広告代理店を活用し、訪日観光の魅力を戦略的にアピールするなど、訪日プロモーションを強化する。一般住宅を宿泊施設として活用する「民泊」の解禁に向けた新法案を通常国会に提出するなど、訪日需要に合わせ、規制緩和も行う。

2020年に4000万人

   安倍政権は訪日外国人旅行者の誘致を成長戦略の柱に掲げており、2017年度の観光庁の観光関連予算は210億円と16年度当初予算比で5%増額し、14年度以来、4年連続で積み増す方針だ。訪日クルーズ船の拡大に対応して全国で港湾の整備を進めるほか、通訳ガイドも増員する。

   訪日外国人旅行者の2400万人突破について、菅義偉官房長官は記者会見で「安倍内閣として観光地方創生は成長戦略の切り札との位置づけのもと、大胆な取り組みを矢継ぎ早に実行してきた。本年も足元の勢いが止まることがないよう様々な対策をしっかり行って、2020年4000万人の見通しを実現したい」と述べた。果たして目標は達成できるのか、注目される。

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