2024年 4月 27日 (土)

「NAVERまとめ」を企業PRに活用する例が増えている

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   ネットで調べ物をするとき、百科事典的な解説はウィキペディアを使う人が多いが、具体的な例を集めたいときにはリンク集が便利だ。NHNジャパンが運営する「NAVERまとめ」はリンク集を簡単に作れるツールだが、これが最近、予想外にいろいろな使われ方をしている。

   「NAVERまとめ」全体のページビューは、2011年12月末時点で月間1億9400万。訪問者数は1,300万人にのぼる(いずれも公称)。これにはウェブユーザーとの接点を模索する企業が黙っていない。さっそく「NAVERまとめ」をメディアとして活用しようとするところが現れ始めた。

ローソンとミニストップが「耳寄り情報」で競い合う

大学2年のアルバイトという設定の「ローソンクルーあきこちゃん」
大学2年のアルバイトという設定の「ローソンクルーあきこちゃん」

   タイアップ事例の第1号は、コンビニ大手のローソンのようだ。「あきこに教えてもらった『ローソンを120%使いこなす方法』」というまとめを作成している。ローソンのコピー機がスキャナーとして使えることや、「お試し引換券」を使うと少ないポイントでも商品と交換できるなど、便利なお得情報がまとめられている。

   これを含むローソンに関するいくつかのまとめを、さらに「ローソンクルーあきこちゃんNAVERまとめ」でまとめ、「『からあげクン』面白トリビアネタ」や「ローソンチケットで当選しやすくなる裏技」などを紹介している。

   これに負けじと、同業のミニストップも「独自の道をひた走るミニストップが無視できない」というまとめを作成している。業界初の「生え抜き社長」や社内研修の内容、ゆるキャラの「ミミップくん」などが動画で紹介されている。

「おでんを売ってないのは衛生面へのこだわりから」
「手づくりおにぎりは本当に店内で米を炊いている」

といった興味深いネタも紹介されている。ページビューは13万を超えている。

   「NAVERまとめ」を使って自発的に情報を発信する企業も現れ始めた。サイバーエージェントは「CA(サイバーエージェント)女子がつくるWebサービス」というまとめで、自社が取り上げられたネットニュースと女子社員の写真入り紹介を組み合わせて、自社のPRを行なっている。

ネット上のあらゆる情報の「まとめ」ができる

   「NAVERまとめ」が提唱するのは、「情報をデザインする。キュレーションプラットフォーム」。ネット上の情報を自由に組み合わせ、ひとつのページにまとめて保存、紹介することで、新たな価値を提供するというものだ。ツイッターのつぶやきや写真投稿のほか、ブログやネットニュース、ユーチューブの動画など、あらゆるネット上の情報が「まとめ」の対象となる。

   先日、横浜で大粒の雹(ひょう)が激しく降り、豪雨で横浜駅が浸水したが、この情報を分かりやすくまとめたのも「NAVERまとめ」だった。SNSの書き込みや写真投稿をまとめて、現地の様子をわかりやすく提供していた。このまとめは54万回以上閲覧されている。

   連載中に画力が向上した漫画家のまとめなど、ユニークな切り口によるまとめもある。文章は書けなくても、ネット上にあふれる情報から文脈に合うものを抽出して並べ替えるだけで、楽しめるものになるのだから不思議だ。

   閲覧者も情報やコメントを追加して楽しめる。まとめ作成者に対し、アクセス数に応じた報奨金が支払われるプログラムが設けられているのも、まとめやユーザー数を増やす要因になっている。

   企業からすると、ユーザーが勝手にまとめを作ってしまう点を不安に思うかもしれないが、それはネットの書き込み全般について言えることだ。好意的なまとめを自主的に作ってもらえるよう、ネット上に魅力的な情報をこまめに提供することを考えた方がよいだろう。(岡 徳之

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