ミニッツ・シンキング

聖書世界の歩き方

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復元の旅:アクセスは?

アクセスは2つ、「資料」と「史料」です。

資料とは?
モノ情報。物質文化がわかります。考古学は、これを中心に研究します。

史料とは?
文字情報。文献史学や狭義の歴史学は、これで研究を進めます。

これはどっち?

1.  資料だと思う
2.  史料だと思う
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これは「資料」と「史料」、両方の側面を持っています。
・ 大きさや材質を調べる場合 ⇒資料
・ 何が書かれているかを調べる場合 ⇒史料

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手段が限られる場合

文字がない時代は先史時代
文字が発明されても、まだ十分な文字情報が残っていなければ原史時代といいます。
文字情報が十分あれば歴史時代です。
先史時代はモノ情報だけ。
アクセス手段は、考古学のみになります。

書いてあるから大丈夫?

では、文献が十分な時代は、土器や建物などのモノを探す必要はない?
いいえ、復元の旅には、

資料と史料、両方のアクセスが必要です。

文字情報を残す人・残される人は、上層部のひとにぎり。庶民生活は、土の中に平等に残されたモノ情報から探ることになるのです。

情報のみかた

モノ情報から歴史を復元するために、考古学は「層位学」と「型式学」を駆使します。

①層位学 層の上下関係などで、新旧を決定することができる
②型式学 形態・材料・技法・装飾などから、時代や地域性を探ることができる

ここで、複数の専門的な目が必要になります。

復元は、多くの視点から

自然科学
年代特定(放射性炭素)、土の分析(土器、陶磁器)、環境復元(花粉分析)など
民俗学・民族学
生業、暮らし(移動型・定住型)、家族制度、親族組織、道具、祭りなど
文献史学
伝記、文学、行政文書、王の名前の一覧契約書、石碑、印章、封泥※など
※(ふうでい)古代西アジアや中国で、容器や書簡に封をする際に使われた粘土の塊

聖書か、人類学目線か

聖書の地の歩き方には、2つの流儀があります。

聖書を重視する! 「聖書考古学」
聖書の記述を確かめるのが目的。20世紀半ばの主流。
W.F.オルブライト、G.E.ライト、J.ブライトら。
人類学目線でいく! 「南レヴァント考古学」
遺跡を人類学的視点で研究。20世紀後半から主流。
W.G.ディーバー、I.フィンケルシュタイン(写真)ら。
ところで、「聖書も南レヴァントもなじみがないし、遠い話だな」と思っていませんか。次ページの歌はどうでしょう?

旅で楽しむ音楽・踊り


(まるちょと民族舞踊)
http://sakura.canvas.ne.jp/spr/marucho
/folkdance/folkdance.htm

♪ マイム マイム マイム マイム
マイム ヴェ サソン ♪

ご存知、運動会の定番「マイムマイム」。実はイスラエルの公用語・ヘブライ語なのです。「マイム」は水のことで、歌詞の内容は旧約聖書です。
「あなたたちはその救いの泉から、喜びをもって水を汲む。(『旧約聖書Ⅶイザヤ書』 岩波書店)」…と歌われています。意外に身近なところに、聖書考古学とのかかわりがあるものです。

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