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連合より「キャバクラ労組の方が偉い」3つの理由

   先日、キャバクラ嬢が新宿で労組を結成したというニュースが話題となった。僕は個人的に連合なんて全然いらない、というより解散させた方が日本のためにも良いと考えているのだけど、こういう末端の小規模労組には今でも存在意義があると思う。それは以下の3つの理由からだ。

大企業労組の「プロレス的PR」とは切実さが違う

1.終身雇用ではないので適正な時給を交渉する必要がある

   大手の正社員というのは契約労働者というより身分制度なので、終身雇用で守ってもらう代わりに適正な報酬を交渉する権利を放棄している。だから、毎年なんとなく上がっていって最後はそこそこになるだろうという程度の認識はあっても、誰がいくらもらうかなどというコスト感覚は人事も管理職も本人も持っていない。

   それに対し、キャバクラの従業員は明らかに終身雇用ではないので、適正な時給で支払ってもらう必要がある。労働市場が流動化しているのである程度の市場価格は成立するが、労組を作って交渉することに十分意味はある。


2.オーナー企業がほとんどなので交渉して賃金を増やせる余地がある

   大企業のほぼすべては経営者=サラリーマン社長であり、彼らは従業員を搾取して配当に回すなんてインセンティブは持たない。逆に従業員持ち株制度などで従業員が株主だったりするわけで、労使対立なんてものは存在しない。

   たまに労組関係者が「配当や内部留保を削って賃上げしろ!」と言っているが、プロレス的PRなので本気にしてはいけない(本気で配当や内部留保削ったりしたら正社員である自分たちが困る)。そこへいくと、ほとんどオーナー経営のキャバクラなんて、いくらでも交渉して労働分配率を引き上げる余地はあるはず。


3.(当たり前だが)女性中心なので、セクハラや暴力といった不法行為を受けやすい

   今でも大企業の総合職は9割以上が男性だし、最近は一般職を採らない企業も増えているため、企業のオス化は90年代よりも進んでいる。特に製造業なんて輪をかけておっさんくさい組織で、僕自身も経験があるが、管理職向けのセクハラ研修で「女性の部下なんていないじゃないか」と文句を言われたこともある。その点、若い女性中心の労組にはやはり存在意義があるはず。


   というわけで、大いに頑張っていただきたい。あ、たぶん「一緒に護憲デモしましょう」とか「同志!」とかいう変なのがいっぱい来ると思うけど、客と同様、適当にあしらっといてくださいね。