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【1万円からはじめる暗号資産】大幅下落は買い増しチャンス!? 動き出す明大と北大【暗号資産バトル 第12節】

   調整局面が続いていた暗号資産相場は今週(2022年8月15日週)、大幅な下落。動きが激しくなってきたことで、明治大学の城正人さんは「大局としては下げ止まりの方針は維持し、元気よく買い増しを続けます」と、分析を進めていたイーサリアムを買いに動いた。北海道大学の花野直樹さんも、次週の荒れ相場に期待を寄せる。

   東京大学の迫嵩明さんは、取引をお休みした。

  • 明治大学はイーサリアムを買いに動いたが、その結果は……
    明治大学はイーサリアムを買いに動いたが、その結果は……
  • 明治大学はイーサリアムを買いに動いたが、その結果は……

次週は狙える? 荒れ相場に期待(北海道大学 花野直樹)

   トレードは今週(8月15日週)もノーポジで終わりました。今週は特に大きなニュースやイベントはありませんでした。先週の記事で僕は仮想通貨やアメリカ株指数は短期的に調整が入るのではないかと書きましたが、運よく予想が当たってビットコインやイーサリアムは今週初めにつけた高値からずるずると下落し、日足を見ると陽線を付けた日はありませんでした。

   上図はビットコインの日足のチャートで、青いラインで囲まれた部分は僕が1か月ほど前に引いたフラッグパターンで、今週の下落もそのフラッグパターンの上限に上値を抑えつけられた形になっています。よってこのフラッグパターンはまだまだ有効といえます。この下落で注目される次のポイントはフラッグの下限である2万2000~2万2500ドルになります。相場の雰囲気もここ数週間で悲観ムードが薄まってきているため、この価格帯で明確な反発が確認されれば買いでエントリーをしたいと思っています。

   ただ、このフラッグパターンを抜けてしまう可能性も十分にあるのではないかと考えています。またのチャートを見てほしいのですが、下側にMACD(マックディー)が表示されています。そしてMACDがデットクロスしているのがわかります。これは下落のサインを意味し日足のデットクロスは信頼性が高くここから更なる下落余地があるのではないかと思います。

   また、単純な見方ですが、200MA(200日移動平均線)よりも下ということで下落トレンドは継続中です。もしフラッグの下限を抜けた場合、次の下値のめどは20000ドル付近と考えられますが、そこからどうなるかは実際にその時にならないとわかりません。

   ここ数週間、大学での活動が忙しくあまりニュースをチェックできなかったのですが、今後はいい買い場が来るかもしれないので、ちゃんとニュースやオンチェーンのデータも追って買い場を見極めていきたいと思います。

【追記】
記事を書いているのが8月19日15時ごろですが、この間にビットコインがフラッグの下限を割ってしまいました。少し激しい値動きになっており、来週からの相場が荒れそうで楽しみです。また、来週この下落の原因や相場展望などがわかってきたら、続きを書きたいと思います。

前週からの損益     プラス・マイナスゼロ
8月19日現在            9754円

池田昇太のワンポイントアドバイス
仮想通貨市場は8月19日に大きく下落しましたね。明確な悪材料は見当たりませんが、S&P500の下落による影響やドル高による逆相関で仮想通貨が下がった可能性もあります。
日足チャートを見ると、2万ドル~2万1500ドル辺りの価格帯が意識されている様子があり、ここをブレイクすると再度下落していく恐れがありますが、この価格帯がサポートラインになれば、徐々に上がるかもしれません。
引き続きチャートとニュースを確認しつつ、買いを入れるタイミングを見計らうか、もしくは購入するタイミングを複数に分けてみるのも良いかと思います。
花野 直樹(はなの・なおき)
花野 直樹(はなの・なおき)
北海道大学工学部4年
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!

まさかの大幅下落も「元気」に買い増し!(明治大学 城正人さん)

   今週(8月15日週)は15%を超える大幅下落の週となりました。上抜けを期待し買い進めていたので手痛い損失となりましたが、「大局としては下げ止まり」の方針は維持し、元気よく買い増しを続けます。

◆トルネードキャッシュなき後

   さて先週(8月8日週)のこちらの記事でトルネードキャッシュに対して制裁が加えられたというニュースを紹介しました。

   中央管理者がおらず、アルゴリズムによって運営されているDeFi(分散型金融)アプリ「Uniswap」でも大きな影響を及ぼしました。具体的にはトルネードキャッシュの利用者アドレスをブラックリスト化し、利用不能状態にするという対応です。

   中央管理者なしに「自由な」経済活動を行えるという特徴があるDeFi。規制当局による完全な規制は技術的に不可能。国と敵対すべきではないという経営判断は理解しつつもDeFi側が積極的に規制に協力する姿は違和感があります。

   そんななか、イーサリアムの開発に中心となって携わってきた者の中にもこの対応に反発を覚えるものもいます。The DAOの構築に大きく貢献したstephan。彼はイーサリアムを去ることが明らかになりました。SNS上では「今やブロックチェーンは規制当局に尻尾を振る裏切り者らのサーカスと化した」と言ったそう。今や30兆円の時価総額を有するイーサリアムですが、社会的責任と信念のバランスをどうとるかという難しい決断に迫られていると思います。

◆今週の取引

   大幅な下落で意気消沈している場合ではありません。じつはイーサリアムは、今回の下落では100日移動平均線、50日移動平均線を割らずピッタリ下げ止まっています。

   ここはかなりのMerge目前にしてかなりの買い場だと考えています。また、こういった局面では一たん目安としている移動平均線を割り込む「ダマシ」が発生しがちです。したがって今週ではまず0.01枚の購入、ダマシ発生後トレンド転換確認して追加しようと考えています。

   8月21日、イーサリアムを21万8136円のとき、0.01枚 2181円を購入しました。

保有資産
ビットコイン 0.00001枚 評価額2928円
イーサリアム   0.01枚  評価額2181円
現金 4710円

前週からの損益    マイナス292円
8月19日現在       9819円

池田昇太のワンポイントアドバイス
トルネードキャッシュの開発者逮捕の一件はあちこちで波紋を呼んでいますね。先日もカルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が逮捕された開発者を擁護する動画が投稿されています。規制当局に対するDeFi(分散型金融)の在り方も、今後の仮想通貨市場に影響を及ぼす可能性がありそうです。
また、購入するタイミングを分散させるのは良い手法だと思います。8月19日には仮想通貨市場全体が下落し、The Merge(プルーフ・オブ・ワーク=PoW=からプルーフ・オブ・ステーク=PoS=モデルへと移行)直前を控えているイーサリアムは買いのチャンスでしょう。これまではビットコインと似たような値動きを見せていましたが、ここ1~2か月における両者のチャートを見比べるとイーサリアムのほうが高く上昇していますし、今後の値動きは期待できそうですね。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo

◆取引はお休みしました(東京大学 迫嵩明さん)

前週からの損益    プラス・マイナスゼロ
8月19日現在              1万円

迫 嵩明(さこ・たかあき)
迫 嵩明(さこ・たかあき)
東京大学文科二類2年
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/

◆ ◆ アドバイザーのプロフィール

池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/