酒、ネット、セックス依存…孤独な現代人の「ひとりではいられない症候群」

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『「ひとりではいられない」症候群』
『「ひとりではいられない」症候群』

   私たち現代人は誰しも、程度の差はあっても心の奥に孤独感をかかえていて、ここから逃れるために酒やタバコ、あるいは携帯やネット、ゲーム、ペット、セックスにまで逃避し、そこに依存することがある。

   講談社から2012年5月10日に刊行された『「ひとりではいられない」症候群』(カトリーヌ・オディベール著 講談社選書メチエ、定価1680円)はこの強烈な孤独感の原因と、そこからの解放の方向について、フランス有数の精神分析家・心理学者である著者が論じたエッセイだ。

   この孤独感の原因は、人格形成の過程で自立した大人と しての健やかな精神生活を送るために不可欠な「安らぎとしての孤独」を適切に育むことができず、「苦しみとしての孤独」に呑み込まれているからだと著者は分析する。

   「安らぎとしての孤独」は、赤ん坊が親のそばにいて、親の干渉は受けずに自由に行動し、一方で親の目によって危険からは守られている、というような状況で育まれる。「ひとりでいても大丈夫」というこの感覚が幼いときに十分に育たないと、大人になってから孤独は絶望としか感じられなくなるのだ。この恐ろしい孤独から自分を守るために、あらゆるものへの依存を余儀なくされることになる、と著者は語る。

   本書は豊富な臨床体験に基づいて、このような現代人の閉塞した心理を、女性らしい温かいまなざしで紹介する。「依存症とは命をつなぐ行動である」と言い切り、そして最後に、「ひとりではいられない症」を、「ひとりでもいられる能力」へと変えていける方法を探っている。

   現代の日本人が抱える孤独感、閉塞感の理解にも通じ、当たり前のようで意外に気づくことのない私たちの心の奥底のあり方を示してくれる一冊だ。

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