2024年 5月 6日 (月)

【書評ウォッチ】コミック撲滅運動と赤狩り 理解できない文化を排撃

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したたかに「倒されても死なない存在」に

   本は、コミック出版側のしたたかな禁圧逃れも追跡している。犯罪や暴力がだめならロマンスやホラーに切り替える。法律では裁けない怪物や宇宙人を搭乗させる変わり身の早さ。コミックは子どもの好きな怪物のように「倒されても死なない存在なのだ」と評者は言いきっている。

   この本、5040円。その価値はあるのだろうが、もう少し安くできないか。文化の一端をになってきた岩波書店に、そのへんの配慮と努力があっていい。

   超人的なヒーローも宇宙人も出てこないが、『春山町サーバンツ』(朝倉世界一作、エンターブレイン)を、コミックコーナーを常設している朝日が紹介した。東京都心のビル街から少し奥に入ると現れる古い下町。「地元民」たちの日常がコメディータッチで描かれる。「ここで生きていくことの手応え」とは、まんが編集者のササキバラ・ゴウさんの評価だ。

   東日本大震災から自分がいる地域と改めて向き合う意識が強まった。その一つでもあるのだろう。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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