2024年 4月 26日 (金)

生ぬるい「いじめ対策」と訣別を 道徳教育など無意味、「法」導入せよ

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   滋賀県大津市の男子中学生がいじめを受けて自殺した問題は、記憶に新しい。マスコミで大きく報じられ、過去にいじめを経験した芸能人がメッセージを発してもいた。なぜいじめは繰り返されるのか。いじめのメカニズムを分析し、解決策を提示しようと、書籍『いじめ加害者を厳罰にせよ』(840円、KK ベストセラーズ)が発売された。

外部から遮断された「聖域」の問題点

『いじめ加害者を厳罰にせよ』
『いじめ加害者を厳罰にせよ』

   著者は、長年いじめを研究してきた明治大学文学部准教授・内藤朝雄氏だ。題名には、これまで学校でいじめられてきた何世代にもわたる子どもらの「学校に法律さえ入れば、こんな目に合わずにすんだのに」という思いがこめられている。

   同書は、学校でのいじめ蔓延の原因について、外部から遮断された場所での集団行動の強制と、友だちであることを無理強いする点にあると分析する。これらにより子どもらは「ねっとりと絡み合うような『濃密な付和雷同』を生きて」おり、仲間の関係維持が何よりも優先されるため、時にはいじめを行ってしまう。教育の名の下に「聖域」とされている学校は、法やルールを持ち込むことが困難なため処罰をすることもできない。

   著者はいじめ解決策について、従来までの道徳教育などの「心」にフォーカスした対応は無意味であり、場合によっては有害だと退ける。そして、短期的には「学級制度の廃止」と「学校への法の導入」を、中期的には「1つの学校に生徒を所属させる制度の廃止」を掲げ、いじめ問題を制度面から解決することを唱えている。

   2012年10月下旬に出たばかりだ。

姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中
カス丸

ジェイキャストのマスコットキャラクター

情報を活かす・問題を解き明かす・読者を動かすの3つの「かす」が由来。企業のPRやニュースの取材・編集を行っている。出張取材依頼、大歓迎!