秀吉「ナゾの書状」の真意とは 『河原ノ者・非人・秀吉』が毎日出版文化賞

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   山川出版社の『河原ノ者・非人・秀吉』が、2012年の毎日出版文化賞(人文・社会部門)を受賞した。服部英雄・九州大学教授(日本中世史)の力作だ。

   「推理・推測」としては以前からあった「豊臣秀頼は、秀吉の実子ではない」説について、史料を駆使して論証する部分が特に注目を集めたようだ。しかし、筆者の力点は、「被差別民」の生活を明らかにする中で「差別のない社会に寄与したい」という点にあるという。「差別に耐えながらも、誇りをもって生きてきた人々たち。(略)日本の歴史と文化を担った人々」の実相をさまざまな史料から描き出している。

「秀頼非実子」説を追う

『河原ノ者・非人・秀吉』
『河原ノ者・非人・秀吉』

   第1部では、「犬追物を演出した河原ノ者たち」など「中世に賤視された人々」が、当時の人々の生活にいかに密着した大切な業務を担っていたかを浮き彫りにしている。

   「天下人」豊臣秀吉の少年期の「ストリートチルドレン」としての生い立ちに迫りながら、秀吉晩年のナゾの書状など彼の言動を分析・検証するのは第2部。「秀頼非実子」説を追う中で、側室の淀殿が秀頼を懐妊したことを知った秀吉が、正室北政所へ送った「他人事」のような書状についての新解釈などが披露される。

   2012年11月3日に発表された毎日出版文化賞の受賞にあたっては、「(秀頼非実子論部分がマスコミに注目されたが)全体として、中世の被差別民の活動や歴史に果たした役割を真摯に追究し、叙述した研究書」と評された。4月に発売された。2940円。

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