2020年 12月 3日 (木)

【書評ウォッチ】前期高齢者のご自身観察記 ちょっぴり切なく個性的に

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   高齢化社会があれこれ話題の今でも、老人の大半は自分を老いたとは思っていない。そこらの本心を軽快なタッチで明かす『オレって老人?』(南伸坊著、みやび出版)が読売新聞に。66歳になった人気イラストレーターが、50代後半から現在までの「法的にいって前期高齢者」暮らしをつづった。特別なことが書いてあるわけではないけれど、老いてこその体験をスラリスラリとやりすごしながらの、ちょっぴり切ないご自身観察記だ。

   これまで「いったい何を考えているのか」というテーマの観察対象は、米国や中国から若者、経営者、消費者、女性、果ては犬猫までさまざまつづいてきたが、どの街でも増え続けるご老人も重要な存在。読めば、けっこうおもしろいうえに考えさせられる。【2013年8月18日(日)の各紙からI】

「リッパにおとなげなく」団塊世代の老人自身論

『オレって老人?』(南伸坊著、みやび出版)
『オレって老人?』(南伸坊著、みやび出版)

   本の帯にもある「前期高齢者になった団塊世代のほぼ50%は自分を老人と思っていない。あとの50%が自分を老婆と思っているはずがない」とは、名セリフだ。だから老いても生涯青春だなどと疲れることを、この本は言わない。アンチエイジングも不自然と切って捨てつつ著者は「老人は老人らしく」とは考えたそうだが、「ほんとのほんねのところでは、自分を私はまだ若者のつもりでいるらしいのだ」とも吐露する。

   その老人になりたてのころは、笑い方も品よくニコニコ、ペコペコしたそうだ。かわいい女の子にほめられたりすると、もうとたんに。ところが「老化すると、あちこち痛いから、そんなにニコニコしてばかりいられない」と、ご老人の心はゆれ動く。

   笑い方はてへへ、えへへと緩んできて、しまいにはワーハッハッハッハだとか。「著者は十年かけ、なんともリッパにおとなげなくなられた」と、読売の評者・石田千さん。石田さんは銀座から青山につくまでの電車内で「なんど吹き出したかわかりません」という。個性的な老人自身論。

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