2024年 4月 20日 (土)

【書評ウォッチ】ブームのイベリコ豚から食文化を見る 素朴な疑問から出発して

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理解されないままにブーム広がる

   で、日本中のイベリコ豚メニューが本物かどうかの問題はどうしたか。全国の流通肉がのこらずDNA検査をされたわけでもない。「怪しい」「いや、ニセなら消費者庁がだまっていないはずだから本物だ」と論争は続くが、本から少なくとも言えるのはイベリコ豚本来の魅力がいまひとつ理解されないままにブームが広がっていったことだろう。

   脂身に特長がある肉だから本来、生ハムを中心に加工向きという。理解不足か、それとも的確な扱い方などおかまいなしの人気先行・販売優先の結果か、全国にイベリコ豚の看板がたつブームの現状をこの本がクローズアップする。

   イベリコ豚の生ハムは「食べたことがないおいしさ。同じ肉とは思えなかった」と、著者は東京新聞11日付朝刊で証言している。「本当に文化だといえる食べ物はそんなにたくさんないのでは」とも。「食文化」を理解し、食べこなすのは容易でない。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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