【次の百年に踏み出した宝塚歌劇(3)】海外進出より...何度も見たいファンは望む リピート観劇しやすい"インフラ整備"

ファンがほしいものは時間とお金と、そして...

   ファンはさまざまな方法を駆使してチケット入手を試みるが、人気演目の場合は、なかなか思うに任せない。最近ではネットでチケットを売買するサイトがあるが、びっくりするような値段がついていることもある。転売目的の購入者も増えたようで、対策が急がれるところだろう。その一方で、「声をかけていただいたので」と場内で周囲の人とあいさつを交わして最前列に陣取り、羨望のまなざしを集める招待客然とした人もいる。宝塚ファンが心から欲しいものは時間とお金と、そしてコネ、というところか。

   とはいえ、演目や組によってチケットの売れ行きに波があるのもまた事実。実際、「ベルばら」以前の宝塚は、劇場に空席の目立つ厳しい状態だった。またこの数年は観客動員の頭打ちも指摘されている。劇団は今後、海外公演などを通しアジアでのファン獲得を目指すという。しかし、何より大切なのは魅力的な作品を提供し続けることだろう。ファンは常に、良質のオリジナルの新作が登場するのを待っている。