「神風」は無かった「蒙古襲来」の真相に迫る話題作

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   山川出版社より2014年12月に発売された「蒙古襲来」(服部英雄著)が好評だ。2012年に「河原ノ者・非人・秀吉」で第66回毎日出版文化賞を受賞した著者の、同賞受賞後初めての書き下ろしで、発売当初より歴史好きの間で話題となっていた。

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    蒙古襲来

元軍を退けたのは「神風」では無かった

   本書の題材である「元寇」(文永の役・弘安の役)については、学校の授業などで「元軍は、停泊中の艦船が台風で大損害を受けたため撤退した」と学習したことを記憶している人が多いだろう。しかし、当時の信頼に足る資料をみても、元側、日本側どちらが作成したものにも、そのような記述は無い。

   文永の役は1274年10月のことである。嵐の中での戦闘はあったが、貴族がつけていた日記の記述などから、暴風雨は局地的なものであり、台風ではなかったと考えられる。元軍の資料などからも、「武士たちによる激しい抵抗により、戦闘が長引いた」こと、「冬になると日本海が荒れるので、帰還が困難になるため退きたかった」という真の撤退理由が読み取れる。

   弘安の役は1281年夏の事件である。2か月もの長きにわたる戦闘の最中、台風の襲来により両軍とも艦船を含め多大な被害を受けた。しかし、台風通過後も大規模な合戦が繰り広げられていて、それらの戦闘での敗北こそが、元軍潰走の直接の原因のようだ。元軍を退けたのは「神風」ではなく、武士たちに必死の抵抗のおかげだったと評価できるだろう。

なぜ「神風」は生まれたのか

   元寇は、誰もが知っている有名な歴史上の大事件だが、教科書では語られてこなかった謎が非常に多い。そもそもなぜ元は日本に攻撃を仕掛けてきたのか。なぜ「神風」という寓話が生まれここまで広まったのか。本書は、当時の膨大な資料を解きほぐし、それらの謎に答えを出してくれるものになっている。

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