2024年 5月 5日 (日)

ED治療薬服用者の70%超「良い効果を感じた」一方で知識不足には懸念も

   「ED(Erectile Dysfunction)」という言葉、男性なら一度は耳にしたことがあるのではないか。日本語で「勃起機能の低下」を意味し、日本の成人男性の4人に1人はこの症状に悩まされているといわれる。1999年に日本で認可されたファイザーの「バイアグラ」はED治療薬として世界中で服用されている。一方で不正入手・不適切服用による死亡事故がしばしばニュースになった。発売開始から15年が経過し、服用者は正しい知識をもっているだろうか――。

   EDに関する調査実行委員会は、勃起機能の低下に悩む男性500人に対してアンケートを実施し、その結果を2015年12月10日に発表した。ED治療薬を服用した人の70%以上が、「いつもより良い効果を感じた」と回答していることが分かった。一方で、半数以上は「薬の特性」をきちんと理解せずに服用している危険な実態も明らかになった。

  • ED治療薬の服用効果は70%以上もあるというが……
    ED治療薬の服用効果は70%以上もあるというが……
  • ED治療薬の服用者なのに、(特性を)「ほとんど理解していない」「全く理解していない」が12.2%もいる
    ED治療薬の服用者なのに、(特性を)「ほとんど理解していない」「全く理解していない」が12.2%もいる
  • ED治療薬のネット通販経験者は60%近くもいる
    ED治療薬のネット通販経験者は60%近くもいる
  • ED治療薬の服用効果は70%以上もあるというが……
  • ED治療薬の服用者なのに、(特性を)「ほとんど理解していない」「全く理解していない」が12.2%もいる
  • ED治療薬のネット通販経験者は60%近くもいる

「薬の特性は全然知らないけど使っている」が4.8%も

   調査はインターネットを通して行われた。EDの自覚がある、全国の30歳から59歳までの男性500人が参加した。

   最初の質問は「あなたはED治療薬を服用して体感できる効果を実感しましたか?」というもの。「いつもより良い効果を感じた」と回答した人は71.4%もいた。以下、「特に実感がない」が19.6%、「EDとは関係のない効果を感じた」が5.0%、「いつもより悪い効果を感じた」が4.0%と続く。本来の効用を感じられない人は合計で28.6%もいた。

   実行委員会は次に「あなたは、以下の『ED治療薬』の特性を理解していますか」と尋ねた。服用のタイミングや発現時間は薬によって当然異なり、最大の効果を得るにはその特性と自らの体質をよく理解しておく必要がある。

   ところが選択肢の中でも最も得票率が高かったのは、「なんとなく理解している」で41.0%だった。また「ほとんど理解していない」が7.4%、「まったく理解していない」が4.8%で、これら3つの選択肢の合計は53.2%に達した。

   現在発売されている治療薬は3種類。先述のバイアグラは、この分野でのパイオニアだ。服用から15分ほどで効果が出始め4時間ほど効果が持続する。欠点は食事をすると効果が出にくくなること。日本で認められている用量は25・50ミリグラムの2種類で、海外で売られている100ミリグラムは日本国内では認可されていない。

   ドイツのバイエル薬品が開発した「レビトラ」は2004年に発売された。食事の影響を受けにくく、用量は5・10・20ミリグラムの3種類ある。効果持続時間はあまり長くない。

   アメリカのイーライリリーの「シアリス」は最新の治療薬だ。食事の影響を受けず、日常的に継続服用することができ、効果は約36時間持続する。用量は5・10・20ミリグラムの3種類と選択の幅も広い。副次的な効果として、血管の健康全般を促進する点も注目されている。

   ちなみにレビトラの20ミリグラムはバイアグラの50ミリグラム、シアリスの10ミリグラムはバイアグラの50ミリグラムにそれぞれ相当する。用量が一緒だからといって同じ効果が得られるわけではまったくない。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中
カス丸

ジェイキャストのマスコットキャラクター

情報を活かす・問題を解き明かす・読者を動かすの3つの「かす」が由来。企業のPRやニュースの取材・編集を行っている。出張取材依頼、大歓迎!