2024年 4月 26日 (金)

シニアの買い物 吉本由美さんは「即決」より「納得」を求めて

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簡素でも快適に

   モノがないから「あったらいいな」の夢が膨らむ...ご本人は半ば照れながら「...なんて言うと『好きなモノに囲まれて暮らしましょう』と、雑誌に本に散々書き散らしてきた自分の立場はなくなるわけだが」と、正直に自らツッコミを入れている。

   ひと回り下の私も、買い物への気構えは現在の吉本さんに近い。家電などの耐久消費財は型は古くても大抵そろっているし、食器などの雑貨も、見て回るのは好きだが新規の購入はめったにない。家具もしかり。美術品には興味があるが、もはや飾るべきスペースが尽きた。時計や靴を含め、おしゃれ関係にはハナから関心が薄い。それぞれの分野に感心の濃淡はあっても、高齢者はだいたいそんなものだろう。

   では、掲載誌の「口コミ大賞」に選ばれたモノは何か。「総合」の上位3品は...

(1)ヘアードライヤー ナノケアEH-NA0G(パナソニック)
(2)コードレスクリーナー Micro1.5kg(ダイソン)
(3)量る手間を省いたプッシュ式洗濯用洗剤 アタックZERO(花王)

   実用品、それも生活必需品のヒット商品ばかりである。ちなみに「ヘルスケア部門」では、「買うべき運命」というにはいささか小粒ではあるが、冨永も愛飲しているプロビオヨーグルト R1(明治)が選ばれている。

   とはいえ最新型のドライヤーや掃除機は、吉田さんも書く通り、長い付き合いだった愛用品を処分して「えいや」と購入したに違いない。簡素でもより快適に...モノであふれた成熟社会に生きるシニア層の、そんな生活スタイルが浮かんでくる。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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