オミクロン株は「軽い」と言われるが 致死率はインフルよりかなり高い

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   新型コロナウイルスのオミクロン株による感染が、空前のスピードで急拡大している。2021年1月4日に全国で1000人を突破したと思ったら、5日には2638人、6日は4000人台に。このままのペースだと2月には数万人になるという予想も出ている。

   気になるのは症状だ。「軽い」と言われる一方で、実際に感染した人からは「きつかった」という声も。専門家は、死亡率はデルタ株よりは低いが、インフルエンザよりはかなり高いとみており、警戒を怠らないよう呼び掛けている。

  • 「重症化リスクは低いが、軽症ではない」
    「重症化リスクは低いが、軽症ではない」
  • 「重症化リスクは低いが、軽症ではない」

重症化するリスクは低いが・・・

   NHKによると、WHO(世界保健機関)の責任者マフムード氏は4日、オミクロン株の症状について、鼻やのど、いわゆる上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いという見解を示した。

   「肺まで達して深刻な肺炎を引き起こすほかの複数の変異ウイルスと異なり、上気道の炎症を引き起こしやすいとする研究結果が増えている」と述べ、炎症の場所が鼻やのどにとどまるケースが多く、重症化するリスクは低いという。

   ただし、ワクチンを接種した人や過去に新型コロナウイルスに感染して回復した人が再び感染するおそれがあるとも指摘し、各国に警戒を呼びかけた。

   英保健安全局の初期の分析によると、オミクロン株はデルタ株に比べて入院に至る重症化率が50~70%低い、とされている。

   最初にオミクロン株を特定した南アフリカの医療関係者も、オミクロン株感染者の大半は軽症か無症状、味覚や嗅覚の異常はない、と語っていた。

「筋肉痛」や「関節痛」の症状

   日本ではどうなのか。TBSは5日のニュース番組で、オミクロン株に感染した人の症状をSNSなどで取材している。

「一晩中39.5度の熱が続いたが、熱よりも喉の痛みがつらかった。鼻も詰まって苦しくて眠れなかった」
「喉の痛みから始まり、39度の熱、1日の中で発熱と平熱の繰り返しが6日間続いた」
「喉の痛み、せき、筋肉痛、関節痛、けん怠感、頭痛、鼻水、38.3度の熱」

   多かったのが、「筋肉痛」「関節痛」の症状を訴えるケースだ。インターパーク倉持呼吸器内科倉持仁院長は「オミクロン株はデルタ株より症状の種類が多い傾向にある」「ウイルスが体のいたるところで増えているという可能性があり、筋肉痛であったり、けん怠感が出やすくなるのでは?」と語っている。

   ロイターによると、WHOの当局者は6日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株について、デルタ株に比べ症状は重症化しないもようとしつつも、「軽度」に位置付けるべきでないという認識を示した。「重症化リスクは低いが、軽症ではない」としている。

楽観するのは早すぎる

   オミクロン株の死者はすでに各国で報じられている。英国では12月13日に初の死者が公表されたが、その後も少しずつ増えているようだ。

   朝日新聞によると、英健康安全保障庁は昨年12月27日、オミクロン株への感染で407人が入院し、39人が死亡したと発表している。入院リスクはデルタ株の約3分の1。「症状が軽い」と言われる一方で、感染者が増えれば一定の割合で入院患者や死者が増える、という専門家の予想通りになりつつある。

   感染症やワクチンに詳しい長崎大学大学院森内浩幸教授は5日、東日本放送の番組に出演、以下のように話している。

「新型コロナの死亡率、1.2 から1.5 %程度あったんですけれども、確かに最近の死亡率を見ると0.3から0.4%程度、ひところの4分の1ぐらいに新型コロナにかかった後お亡くなりになる確率は低くなっています。それでもこれはインフルエンザよりは高い数字であり、0.3%ぐらいということは300(人)に1人ですよね。ですので、オミクロン株に皆でかかっちゃえば終わるんだみたいなそういう楽観論は持ってほしくないなと思います。決してまだまだそこまで弱毒化したわけではない」

   厚生労働省のウェブサイトによると、2009年に世界的に大流行したインフルエンザでは、日本でも約2000万人が罹(り)患したと推計されている。入院患者数は約1万8000人。しかし、死亡者は203人にとどまっていた。罹患者全体から見た死亡率はかなり低かった。

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