人が滅んだ世界を「永遠に生きる」姉弟 ゆるいタッチで「死生観」鋭く描く

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【明日のベストセラー(67)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。8月は「夏休みに読みたい宇宙・天体」というテーマでピックアップする。

  • 「銀河の死なない子供たちへ」
    「銀河の死なない子供たちへ」
  • 「銀河の死なない子供たちへ」

「なぜ自分たちは死ぬことが出来ないのか」

   第67回は、人類が滅亡した世界に生きる姉弟の、永遠に続く日々を描いた壮大な命の物語「銀河の死なない子供たちへ」(著・施川ユウキ)。天真爛漫な姉・π(パイ)と、内向的な弟・マッキは、遥か昔に人類が居なくなった地球で、母とともに家族として暮らしている。「なぜ自分たちは死ぬことが出来ないのか」という問いを抱えながら無限の時を生きる2人の前に、ある日突然人間が現れ、2人は「人間と死」というものに向き合っていくことになる。

   雄大な自然の中で遥かな時間をかけて巡る命と、その理の外に取り残され続ける子供たち。「生と死」という重厚なテーマとは対照的に、絵のタッチは幼気(いたいけ)で可愛らしい。そのコントラストが、作中で紡がれる言葉ひとつひとつを強烈に胸に残す。悠久の時間と命という切り口から、宇宙の壮大さを感じることのできるマンガだ。上下巻から成る作品のため、手に取る際は必ず下巻まで通して読んでほしい。第1話はこちら

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