「虚無味」という絶妙のニックネーム ローソン「味のしない?飴」が大反響

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   ツイッター上で「虚無味」「虚無アメ」が話題になっている。正式名称は、「味のしない?飴」だ。コンビニエンスストア「ローソン」限定で、2022年10月25日に発売した。

   匂いも味もない、一風変わったアメ。販売するローソンに取材すると、「反響が大きくて、店舗に在庫がないところも出てきている」と明かす。相当の人気だ。

  • 記者も食べてみたが、味も香りもほとんど感じられなかった
    記者も食べてみたが、味も香りもほとんど感じられなかった
  • 記者も食べてみたが、味も香りもほとんど感じられなかった

商品化まで1年以上

   開発メーカーのカンロに、誕生の経緯を聞いた。担当者によると、ローソンからの依頼がきっかけだという。斬新なコンセプトだが、

「これまでにない飴であるとともに、口寂しさの解消などにも新しいニーズがあるのではと思いました」

と期待し、可能な限り無味無臭を目指して開発を進めたという。しかし、「かなり『とがった』企画内容だったので、社内でも様々な意見があり、最初にお声がけをいただいてから、最終的な商品化まで1年以上かかりました」と明かした。使用している原材料が通常のアメよりも高価で、内容量や価格設定などの商品設計でも苦労したという。

   ツイッターで「虚無味」として話題になっている点に、担当者は、

「いくつか商品名を考案した中で、『虚無飴』というネーミングも検討していました。商品のコンセプトが狙いどおり伝わってうれしいです」

と喜んだ。

「なんだこれは」...でも自信作に

   ローソンでは「ありそうであまりなかった、遊び心のある商品」7品を、「テスト品」として発売している。「味のしない?飴」は、このうちの1つだ。

   一風変わったアイデアは、乾燥を防ぐ目的で「口の中を潤わせたい」というニーズの高まりから生まれたと、取材に答えたローソン商品開発担当は説明した。「甘い飴を食べ続けるのは苦手」、「マスクをしているため、ミント味は目に染みる」といった意見があり、味のないアメを発案したのだ。

   試作品を初めて食べた際、「『なんだこれは』という不思議な気持ちでした」。まるでビー玉をなめているようだったという。一方で、「必ずお客様からのニーズはあるという自信はありました」とも。

   ツイッターで「虚無味」と話題になっているが、担当者は、これを「絶妙なワード」と感心し、

「商品名を『虚無味』にしておけば良かったと思いました」

と話した。その上で、「目指していた味を体現できた、と率直にうれしく感じています」。

   反響の中には、「妊娠中にあったらよかった」、「ドライマウスの自分にはうれしい」、といった新しい意見もあったそうだ。

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