子連れ留学、行先は中国 ハプニング続出!でも「働くママ」には温かかった

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   30代半ばの女性が幼い息子を連れて、向かった先は中国だった。仕事を辞めての子連れ留学。中国語はできなかったし、中国に格別の興味を持っていたわけでもない。では、なぜ――。

   2009~16年、育児をしながら中国留学をした経済ジャーナリスト・浦上早苗さんの著書『崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)には、その答えと、びっくりが連発する中国での生活ぶりが、エピソード満載で描かれている。

  • 『崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』
    『崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』
  • 『崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』

「子連れでも何とかなるかも」

   未婚の母で新聞記者だった著者。激務が続く仕事と育児の両立に限界を感じた。「どうにかして日本を出よう」。選んだ先は、それまでの人生に縁がなかった中国だった。

   最初の短期留学期間中で、「子連れでも何とかなるかも」と手ごたえを得たという。女性が出産後も働き続けるのが当たり前だった中国。「母親であってもやりたいことができて、家族がサポートしてくれる」社会に光を感じたと、浦上さんは書いている。

   小学校に入ったばかりの息子を連れて、2010年から長期の中国留学生活に。住まいとなった学生寮はアフリカ人だらけ、初対面なのにグイグイ距離を詰めてくる中国の人たち、事前調整の文化がなく直前になってバタバタ......。おおらかで自由すぎる人たちに囲まれ、ハプニングが続出する。

   なかでも、日本と中国の「トイレ事情」の違いは大変興味深い。

   現在は中国事情に詳しい経済ジャーナリストとして、ビジネスメディアほかで活躍中の浦上さん。本書では当時の暮らしぶりが時に面白おかしく、時にホロリとさせるエピソードを交えながら描かれている。働くママが、中国ではどうとらえられているのか、日本との違いが実体験としてつづられている一冊だ。

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