沖縄でフェラーリをレンタル!「高級外車レンタカー」相次ぐ

   ――青い海、白い砂浜。助手席では美女が髪を風に揺らしながら、微笑む。2人を乗せた車は海岸線を駆け抜けていく――こんなイメージを実現したいとき、乗る車は、国産車より真紅のフェラーリの方が似合うだろう。そうはいっても、フェラーリのオーナーになるためには2000万円超という価格の壁が立ちはだかり、簡単ではない。しかし、沖縄にはレンタカーによって実現するという手段も残されているのです。1日25万円かかりますが……

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マセラティ、1泊2日9万8000円也。


沖縄では高級外車レンタカーサービスが相次いで開業している(車は「BMW 6シリーズ」)

   フェラーリやアストンマーティンといった高級外車をレンタカーして、リゾート気分を満喫する。そんなサービスが沖縄では相次いで開業している。たとえば、那覇市内で高級車のレンタカーサービスを提供するZ開発

「貸し出している車種は、NISSAN GT-Rやポルシェ、マセラティやアストンマーティンといったラインナップです」

というように、高級外車レンタカーサービスの最大の特徴は、取り扱う車種の「ランク」が普通のレンタカーと全く異なる点だ。イタリアのスポーツカー「フェラーリF430」、イギリスの高級車「ロールス・ロイス ファントム ドロップヘッドクーペ」といった、車両本体価格が2000万円~5000万円前後の車が貸し出される。

   通常のレンタカーが"リッターカー"と呼ばれるような、車両価格100万円から200万円前後の大衆車を中心に取り扱っているのに対し、豪華極まりないラインナップだ。

   気になるレンタル代はどれくらいか? たとえば、Z開発では「アストンマーティン DB9」が9万8000円、「ランボルギーニ ガヤルド」が12万8000円(いずれも24時間の料金)。また、同じく那覇市に拠点を置くレクリスリゾートレンタカーの場合は、「ロールス・ロイス ファントム ドロップヘッドクーペ」が50万円、「フェラーリ F430 F1」が25万円、「マセラティ クワトロポルテGT」が9万8000円(いずれも1泊2日の料金)といった具合だ。

   通常のレンタカーでは24時間レンタルの料金が、5000円台から高くても3万円くらいだから、いかにケタ外れな値段か、お分かりいただけるだろう

「富裕層が納得できるレンタカーサービスを」

   それにしても、なぜ「沖縄で高級外車のレンタカー」なのだろう? この点について、レクリスとZ開発の担当者は次のように語る。

「沖縄を訪れる旅行客の交通手段の95%超はレンタカー。それでも富裕層が納得できるような商品はなかったので」(レクリスリゾート)
「沖縄ではほとんどの観光客がレンタカーを利用するが、一般的なレンタカーでは飽き足らない客にむけて、選択肢を増やすために」(Z開発)

   沖縄では鉄道網が空港と市街地を結ぶモノレールぐらいしかなく、公共交通手段といえばバスやタクシーということになる。そこで、観光客の大半はレンタカーに頼らざるを得ないという実情が高級外車レンタカーというビジネスを生み出したのだという。

   富裕層を相手に始めたレンタカーサービスだが、実際に利用する客層は必ずしも富裕層に限られないようだ。「客層はバラバラですね」とレクリスの担当者は言い、Z開発も「意外にも20代~30代が主要な客層」と答える。特にZ開発では40~50代といった世代をターゲットに設定していたため、20代が多いというのは予想外の反応だった。

北海道で「高級外車レンタカー」が普及しない理由


普段乗れないような高級外車も運転することができる(車は「ランボルギーニ ガヤルド」)

   しかし、沖縄に限らずとも、ドライブに向いていてレンタカーの需要も高い観光地はたくさんあるはず。そんな中でなぜ沖縄という土地が選ばれたのか。

「たとえば北海道では、積雪などの関係で年間の1/3ぐらいは安全なドライブが困難なのです」

と、レクリスの担当者は話す。つまり、気候の影響などを考えると沖縄に落ち着くのだという。一方、Z開発の見方は少し異なる。

「レンタカー車両の購入代金を、レンタカー代だけで回収するのは困難です。必然的に中古車として販売するときの利益を考えなくてはならない。無論、その場合は走行距離の少ない方が有利になります」

とした上で、

「沖縄では、どんなに頑張って走っても1日300kmぐらいしか走れない。もし、北海道や本土などで同じサービスをすれば走行距離が莫大になってしまい、リセールバリューが下がってしまうでしょうね」

と説明する。

   規模を拡大させつつある沖縄の高級外車レンタカーサービス。今後も沖縄ではこうしたサービスが拡大していくだろうと、両社ともに予想している。レクリス自身、「石垣島、宮古島でのサービス体制を準備中です」というように、高級外車のレンタカーサービスはまだまだ拡大していきそうだ。私たちの旅を「特別なもの」にするための選択肢は、これからも増えていくのだろう。

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