「指」をさして伝えるチョー便利な「会話本」 

   海外旅行で何かと問題なのは会話。簡単なあいさつ程度はできても、レストラン・駅・宿泊交渉など、さまざまな局面で四苦八苦した経験をお持ちの方も多いはずだ。そこで今、ちょっと話題になっている「本」があるので紹介してみたい。その名も「旅の指さし会話帳」(情報センター出版局)。一冊のガイド本としてスタートしながら、PC、携帯、電子辞書、はたまたiPodまで展開が広がっている。

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始まりのきっかけは書籍の「付録」

「旅の指さし会話帳」というネーミングもユニーク

中身はこんな感じ

   「旅の指さし会話帳」は、単語や会話文がシチュエーションに合わせてイラスト入りで掲載されており、語学の苦手な人でも語と文を組み合わせれば現地の人と手軽に会話ができるという、ロングセラーの旅行必携本。

   シリーズがスタートしたきっかけは、1995年に出版された福井隆也氏・関口左千夫氏・小林紀晴氏による単行本「ベトナム・センチメンタル」(情報センター出版局)の巻末ページに、付録としてついていた「ベトナム語コミュニケーションシート」が読者や書店側から書籍化の要望を受けたことだった。その後、98年にタイ・インドネシア・香港の3ヶ国語が順を追って発売されている。

   出版元である情報センター出版局の緒方さんは、書籍化についてこう振り返った。

「第一に、言葉を知らなくとも、指をさすだけで、現地の人とコミュニケーションがとれるような書籍に、との思いがありました。また、バッグパッカーがズボンのポケットに入れて持ち運びできるよう、コンパクトになるよう工夫しましたね」

   当時、英語・フランス語などメジャー言語のガイド本は巷(ちまた)にあふれていたものの、どちらかというと馴染みの薄い言語のガイド本は種類が少ないうえに価格的にも高めだった。そんななか、「旅の指さし会話帳」は気軽に語学に触れ、かつ現地でも役立てることのできるツールとして評価を上げていったようだ。

   2008年9月現在では、北京・雲南・上海など地域別のものや、「恋する指さし会話帳」「ビジネス指さし会話帳」などのシリーズも含めれば、書籍版だけで実に102シリーズが出版されている。

電子機器類への「第2展開期」


カシオの「EX-word」シリーズにも収録

   さらに、ここ数年はPC・携帯をはじめとした電子機器類の分野にも進出、それぞれの特性を活かしたサービスを拡大中。

   2006年5月には、Windows2000/XPに対応した「パソコン版 旅の指さし会話帳」(DVD-ROM)を発売。同商品には、「あいさつ」「乗り物」「食事」など、状況別に各2500~4000語の単語が収録されており、ネーティブの発音をPC画面上から何度も繰り返し聞くことができる。自分の声を録音して聞ける「ボイスリピーター機能」もついているので、自分の発音とネーティブの発音を聞き比べるという応用ワザも効くという。

   さらに、「旅の指さし会話帳」の進化は続く。

   07年11月にリスニングソフト「iPodでとにかく使えるシリーズ」が発売、08年3月には公式モバイルサイトがオープン。同年8月8日には、カシオ計算機の電子辞書「EX-word」シリーズで「指さし会話帳」を収録した「XD-SP6700」も発売され、画面にタッチして単語を選ぶことで、自分で文章を組み立てられるようになった。もちろん、スピーカーやイヤホンを使えば全例文をネ-ティブの発音で聴ける。

   電子機器版で事前学習に備え、旅には書籍版を携えたなら、かなり余裕を持って海外旅行を楽しめるかもしれない。

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