雇用不安時に効果抜群!? アロマテラピー・グッズ

   デザインがユニークなうえに効果も抜群! アロマテラピー用めがね「ルナローム」が人気を呼んでいる。未曾有の不況で失業率が増加し、雇用不安が高まっているのはフランスも同じだが、人々の不安な気持ちやイライラを和らげるのに一役買っているようだ。

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ジュネーブ発明・工夫見本市で金賞受賞


精油と綿棒が入ったルナローム・キット


めがねのようにかけると、綿棒が鼻腔にすっと入る仕組み

   日本でも愛好者が多い、フランス生まれのアロマテラピー。花や植物の精油の香りで心身を癒す芳香療法で、ガラス製のディフューザーや、キャンドルを使ったオイル・ウォーマーを利用して室内に植物の香りを満たしたり、オイルと混ぜてマッサージする、など、おしゃれなリラックス療法というイメージがある。

ジュネーブ発明・工夫見本市で金賞

   先日、パリにある、精油やハーブティーなどの輸出・販売会社SAGASHIRA PARIS-TOKYOを訪ねた時のこと。オーナーが、「アロマをする人に、お勧め」と見せてくれたのが、アロマテラピー用めがねルナローム(Lunarom)だった。めがねといっても、レンズは入っておらず、フレームに精油を浸した綿棒をセットし、それが両方の鼻の穴に差し込まれるしくみで、鼻腔内の嗅覚細胞を直接に刺激するので、効果抜群なのだという。これをつけて人前に出たら、ビビられること間違いなしの、あやしげなデザインだが、実はジュネーブ発明・工夫見本市で金賞をとった誉れ高い健康器具なのだ。

   キットは、フレームと綿棒(市販のものでOK)に、精油は抑うつ・活性化、疲労回復、禁煙、集中力アップなどの効果があるものから、選べるしくみ。

   私もアロマテラピーをかじっており、確かに精油をたらしたティッシュを鼻にあてるとよく効くんだけど、手で押さえているのが、面倒なんだよね。オーナーいわく、「家で一人、読書をしている時や、テレビを見ている時に使ってくださいね。うちの娘は気持ちが高ぶって眠れない時に、これをかけて横になると、15分くらいで眠っちゃう、って言っています。気分が落ち込んだ時や不安やイライラを感じた時に使う人が多いようです。こういう時代ですからねぇ・・・」。

労働者を癒す「魅惑のアイテム」に

   確かに、フランスでも毎日のように、企業の人員削減、工場閉鎖などのニュースが流れる。2008年四半期に8.2%になった失業率は、今年、さらに高くなると言われている。ただ、泣き寝入りしがちな日本の労働者(最近は少し変わってきているようだが)と違って、フランスの労働者はデモ、ストなどで、怒りを表現し(爆発させ?)、意見を主張する、いわゆるマニフェストが得意だ(ちなみにフランス語でデモは"マニフェスタッション")。最近では労組による経営者軟禁という少々手荒な方法も用いられ、工場閉鎖による従業員解雇を発表したソニー・フランスの社長(フランス人です、念のため)が一晩中社長室で軟禁された事件は有名だ。もちろん、それで、解雇が撤回されるわけではないが、退職金の額が上乗せされることだってあり、少しは腹の虫もおさまるというものだ。

   でも、仲間と外でマニフェストして、気分が高揚しても、家に帰れば先のことを考えてどーん、と落ち込んだりするだろう。そんな時、人知れず使う「ルナローム」は、不況期の労働者を癒す「魅惑のアイテム」になっているに違いない。

江草由香

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