街区を再編し大型複合ビルを建設へ 東京建物「(仮称)京橋3-1プロジェクト」


畑中社長は「東京駅前の魅力的なランドマークになる」と胸を張る

   東京建物は、東京・京橋の大規模複合ビルの建設を含めた再開発事業「(仮称)京橋3-1プロジェクト」の事業概要を、2010年10月18日に都内のホテルで発表した。

   東京・京橋地区は、銀座と日本橋に挟まれた江戸時代からの商業と文化の中心地。東京駅に近く、羽田や成田空港へもアクセスしやすい、ビジネスに便利な1等地だ。しかし、建物の老朽化が進む半面、街区が狭いため、東京駅の丸の内側に比べて大規模プロジェクトがなかなか進行しなかった。このプロジェクトは小さな街区を統合し、新たに再編したのがポイント。さらに「京橋の丘」(仮称)などの、ざまざまな環境配慮技術を導入することとで「住宅・建築物省CO2先導事業」にも採択された。

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魅力あるビジネス環境とにぎわいを創出

   「(仮称)京橋3-1プロジェクト」は、第一生命保険や片倉工業、清水地所、ジェイアンドエス保健サービスと、東京建物などが出資する京橋開発特定目的会社、京橋三丁目特定目的会社の6社が協力して手がける。

   コンセプトは、街区再編と新たな駅前拠点の整備、国内最高水準の環境配慮型ビルの実現、魅力あるビジネス環境とにぎわいの創出で、約8131平方メートルの敷地面積に、地上24階地下4階、塔屋2階(延べ床面積約11万7526平方メートル)の大規模複合ビルが建つ。竣工は2013年3月の予定だ。

   1階から3階は商業施設が入居。3階には保育サービスや一時預かりなどの子育て支援施設も設置する。また、4階には外来のクリニックや検診センター・人間ドック、薬局など、外国人の利用にも対応した医療施設を整備し、5階にはカンファレンスセンターも用意する。

   オフィスは開放感のある柱のない空間で、自由なレイアウトを可能にした。これまで街区を小さく分断してきた通りは貫通通路を用意し、24時間、人の行き来を自由にする。

随所に環境への配慮

   「目玉」は環境対策だ。大規模な緑化空間である「京橋の丘」(仮称)を形成。「緑があるオフィスは働く人をリフレッシュさせ、仕事の効率を上げる」(東京建物取締役都市開発事業部長・輿水秀一郎氏)との調査結果を引き合いに、緑化効果を強調する。

   ビル自体も、太陽光発電システムと地中熱利用熱源システムなど自然エネルギーの導入によるCO2削減と、京橋環境ステーション(仮称)では、環境知識の普及や最先端の環境技術の展示、周辺地域を含めた一体的なCO2削減活動の推進など、さまざまな環境改善活動を展開していく。

   東京建物の畑中誠社長は、「東京駅前はまだまだポテンシャルの高いエリア。この事業はその再生を先導するビジネスと商業の新たな中心地をめざしている。竣工後は東京駅前の魅力的なランドマークとなることを確信している」と胸を張る。

   現在のオフィス需要は厳しいが、畑中社長は「テナントが入居する頃には回復の兆しが見込める」と、期待をこめて話した。

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