激闘の裏にあった真実とは 写真・解説で知る「サイパン戦史」 


『詳説図解 サイパンの戦い―「大場栄大尉」を読み解く』

   人気俳優・竹野内豊さんが主演し、太平洋戦争下におけるサイパン島の戦いを日米双方の視点から描いた映画「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」(平山秀幸監督)が2011年2月11日から全国ロードショーされている。この映画の原作は、ドン・ジョーンズ氏の『タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日』だが、それとは別に、竹野内さんが演じた「大場栄大尉」の激闘を追った『サイパンの戦い 「大場栄大尉」を読み解く』(近現代史編纂会)が、山川出版社から2011年1月31日に発売され、好評だ。

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   サイパン島死守の命を受けた大場隊は、米軍に対し神出鬼没の反撃を繰り返して徹底抗戦。米軍は大場を「フォックス」と呼んで畏敬の念すら抱いたという。最終的に多くの民間人の命を守り、「大場栄大尉」は生き残った隊員たちとともに終戦後の1945年12月1日に降伏した。そんな「大場栄」が戦ったサイパン戦だけでなく、グアム、テニアンといった近隣の島々における日米の壮絶な戦いぶりが『サイパンの戦い――』を読めば詳細に見えてくる。米軍が撮影したものを含め、多数の掲載写真が激しさをさらに物語る。

   「日本はどのように島々を統治したか」「アメリカがサイパン奪取を決めた理由」「計画倒れの大本営『サイパン奪回作戦』」「竹槍まで使った3千名のバンザイ突撃」など、 89項目にわたって解説。「私が見た戦争と玉砕、収容所」などのインタビューも収録している。

   単行本、250ページ。定価1680円。

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