自決1週間前まで写真撮影 「三島」が紀信に遺した死の影


『元気な時代、それは山口百恵です 31日間の現代写真論』

   講談社は、2011年3月18日、新刊本『元気な時代、それは山口百恵です 31日間の現代写真論』(著・篠山紀信)を発売した。

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   スポーツニッポンで2010年12月1日から31日まで連載されたものを一冊にまとめたもので、日々、1枚の写真に篠山氏が撮影当時のエピソードを交えて綴っている。篠山氏にとっては初めてのエッセイなのだそうだ。

   表紙と「1日」には山口百恵さんを初めて撮ったという写真が使われている。「2日」は歌舞伎俳優の中村勘三郎氏、「3日」は故ジョン・レノンとオノ・ヨーコのあまりにも有名なキス写真。そして「5日」は、作家の故・三島由紀夫氏だ。

   三島氏は、1970年11月に自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決するが、その1週間前まで篠山氏に「男の死」をテーマに写真を何枚も撮らせていたという。その時の写真は未公開だが、「5日」の頁で使用された、両手を縛られ、3本もの矢が刺さった三島氏の姿(1968年撮影「聖セバスチャンの殉教」から)は衝撃的というしかない。

   その他、AKB48、野田英樹氏、宮沢りえさん、坂東玉三郎、ミッキーマウス&ミニーマウスといった、一時代を築いた人々やキャラクターの一瞬をとらえた写真が、篠山氏の思い出とともに収録されている。

   単行本(ソフトカバー)、72ページ。定価1200円。

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