そのED治療薬は本物か? ネットに出回る危険な偽造品、健康被害も

   ファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリーの4社は、全国のED(勃起不全)治療薬使用者を対象に「偽造ED治療薬」に関するインターネット調査を実施したところ、意外な事実が明らかになった。大多数の人が偽造品の存在を認識し、市場に出回っていることも知っていたのだ。

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「偽造品と本物、区別できる」は4人に1人


一番左が本物のシアリス、その他はすべて偽物

   ED治療薬の購入経験がある男性564人に尋ねたところ、ネット上に偽造ED治療薬が出回っていることを認識している人は97%を超えていた。

   ところが「医療機関を受診した人」と「ネット上で購入した人」に分けて調べてみると、ネット購入者は偽造品の割合を低く見積もりがちであり、また実際にはED治療薬の真贋を見分けることは非常に困難であるにもかかわらず、24.6%が「自分は偽造品と本物を区別できる」と考えていた。

ネット購入者の9割「自分だけは大丈夫」

   ネット購入者に対し、最近購入した治療薬は本物だと思うか尋ねると、実に87.7%が「本物だ」と答えており、偽造品の存在を知りながらも、多くの人が自分の購入しているサイトを過信していることも明らかになった。偽造ED治療薬を服用した場合のリスクも、ネット購入者は軽く見る傾向が強かった。

   昭和大学藤が丘病院泌尿器科准教授の佐々木春明准教授は、偽造品服用のリスクについて、「対処方法がわからないまま重大な事態を引き起こし、場合によっては死に至る可能性を含んでいます」と警鐘を鳴らし、「医療機関を受診して自分の症状にあった適切な治療を受けること」の重要性を訴えている。

「偽シアリス」で倒れた男性も

   日本国内ではED治療薬として、「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」が承認を受けて販売されている。しかし、EDに悩む人の中には「恥ずかしい」といった理由から医療機関を受診せず、インターネットを通じて治療薬を購入しようとする人も多く、結果、偽造医薬品を購入してしまうケースが後を断たない。2011年4月には奈良県で、シアリスの偽造品を服用した男性が意識障害を起こし、病院に搬送される事件も起こっている。

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