これから空気清浄機を買うなら、効果高い「フィルター捕獲型」か

   本格的な花粉飛散時期を前に、新しい空気清浄機の購入や、空気清浄機の買い替えを考えているひとも多い中、「フィルター捕獲型」空気清浄機が注目を集めている。

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室内の空気清浄には、空気清浄機は有効な手段


空気中の浮遊粒子

   空気清浄機が家電の1つとして我々の日常生活に溶け込んではきているものの、さまざまな製品情報が氾濫しており、自分に合った空気清浄機を選ぶのは難しい。そもそも空気清浄機を持つ意味はあるのだろうか?

   室内空気の汚染やそれらによる人の生活影響などを研究している日本大学の池田耕一教授は、「室内の空気をきれいにするには換気が一番だが、外の空気が汚れていたりしていて、窓が開けられない寒い冬などは、空気清浄機が有効な手段となる」と説く。

   今回、特に注目したいのは、近年、主流になっている「イオン放出型」空気清浄機には、空気中のウイルスを不活化すると裏付けるデータが乏しく、イオンの効果を疑問視している点だ。

   昨年10月に「室内空気向上委員会(http://air-info.jp/)」が開催したセミナーで講演した池田教授は、「イオンを出して空気中のウイルスや微生物を殺して除去すると謳っている空気清浄機があるが、本当はどうなのだろうか?高濃度のイオンなどが目的とする粒子に当たれば殺せる場合があるかもしれないが、部屋の中にいる微生物すべてに当てるほどたくさんイオンを出した場合、ウイルスや微生物が死ぬなら、人間にも害があると考えられるのではないか」と話している。

アレルゲンがイオンにより不活化されるとは考えにくい

   現在、家庭で使用されている空気清浄機は「イオン放出型」と「フィルター捕獲型」に二分されるが、池田教授は後者の「フィルター捕獲型」でないと空気をきれいにするという目的を果たすことは困難であると説く。

   池田教授の説明の主旨はこうだ。

「アレルギー反応は、アレルゲン(アレルギー原因物質)によって引き起こされるが、その1つである喘息(ぜんそく)の発作をもつ患者が、室内空気中の各種アレルゲンに陽性反応を示す割合はダニアレルゲンが最も大きく作用しており、次いでカビが原因と考えられる。ダニアレルゲンに対する汚染対策として空気清浄機の使用は換気とともに最も効果的な手段だといえるものの、生物ではない単なるタンパク質の一種であるアレルゲンがイオンによって不活化されるとは考えにくく、換気あるいはフィルターによる捕獲型の空気清浄機によるろ過しか有効な対策はない」

   そして、こうも言っている。「個人的には、空気清浄機というネーミング自体のイメージが良すぎる。いかにも空気をきれいにするように思われてしまうが、『粉じんろ過機』程度に考えるべきだろう。フィルター捕獲型以外の空気清浄機は、『ろ過』をするわけではないので、本当に空気をきれいにするかと考えると、効果があるかはわからない。これから本格的飛散が始まる花粉は粒子が大きいので、フィルター捕獲型の空気清浄機であれば簡単に除去できる」

   池田教授の話を踏まえると、これから空気清浄機を買うなら、フィルター捕獲型を選ばないと意味がないと言えるだろう。

   フィルター捕獲型の空気清浄機には『HEPAフィルター』などの高性能フィルターを装備した空気清浄機が多いが、「フィルターの目の細かさ(どの程度の大きさのアレルゲンや細菌を除去できるか)」や、「フィルターの構造」、「清浄スピード」が今後空気清浄機を選ぶ際の、重要なポイントとなりそうだ。

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