USJに「ハリポタ」パーク14年誕生 「勝算」問われ社長ニヤリ

   大阪に魔法の国が誕生する。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は2012年5月10日、「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を再現したテーマパーク「The Wizarding World of Harry Potter」をオープンすると発表した。

   開業は2014年後半で、総投資額は450億円を見込む。関西圏では近年屈指の大型プロジェクトだ。建設場所は現在駐車場として使用しているスペースで、USJというテーマパーク内に作る新たなテーマパークと位置付ける。

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「スパイダーマン超える」迫力アトラクションも


発表会には大阪府の松井一郎知事、映画「ハリー・ポッター」シリーズ出演者のジェームズ&オリバー・フェルプスさんらが出席した

   モデルとするのは米フロリダ州オーランドに2010年オープンした同名のテーマパークだ。このテーマパークでは「ホグワーツ城」を始め、作中に登場する街並みなどがち密かつ東京ドームの2倍近い敷地を使って壮大に再現されており、まるでハリー・ポッター世界の住人になったかのような体験ができる。アトラクションも充実し、中でも3D映像を駆使した「フォビドゥン・ジャーニー」などは、視察に赴いたUSJの森岡毅執行役員が「USJの看板アトラクションであるスパイダーマン・ザ・ライドよりさらに進んでいて、まさに世界最高クラス」と太鼓判を押すほどだ。USJに完成する新テーマパークも、規模内容ともにこのオーランドのものと同レベルのものを予定しているという。

   10日の発表会には約100人の一般来場者が招待され、「社内ですらトップシークレットだった」(USJ職員)という「ハリポタ」テーマパークの誕生が明らかにされると、会場からは大きな歓声が巻き起こった。兵庫県から来た若い女性は、

「大のハリポタファンなので超テンションが上がった。新パークは風景とかも再現されてるそうですごく楽しみ。オープンしたら絶対行きます!」

と興奮気味に語っていた。

経済効果は5兆6000億円


記者からの質問を笑顔で聞くグレン・ガンペル代表取締役社長

   USJ開園以来となる大型プロジェクトだが、ユー・エス・ジェイ(大阪市)のグレン・ガンペル代表取締役社長は国内でのハリポタ人気の高さなどを計算に入れ、

「具体的な数値はいえないが、年間数百万人規模の集客を確信している」

と話す。「勝算」を問う記者の質問にも「大変自信満々で、大ヒット間違いなし」と笑みを浮かべながら応じるなど、成功に強い自信をにじませていた。

   「ハリポタ」テーマパークのアメリカ以外への進出は日本が第1号とあって、国内はもちろんアジアなど海外からの集客も見込まれ、観光の軸として地元経済振興への期待もかかる。新テーマパーク誕生により、USJは今後10年間に近畿圏だけで約3兆1000億円、全国で約5兆6000億円もの経済効果、50万人近くの雇用創出をもたらすと関西大学の宮本勝浩教授らは予測する。発表会に出席した松井一郎・大阪府知事も、

「世界から来た多くの人に、大阪の魅力を知ってもらえれば。ガンペル社長、我々行政も協力しますのでぜひがんばってください!」

とエールを送り、地元・関西からの期待を代弁した。

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