女子にも人気の昆虫食 信州「蜂の子」食べてみると…

   「昆虫食女子」という言葉をご存知だろうか。この頃、昆虫食が人気で、セミやバッタ、カマキリ、ケムシまで食べてしまう会などが開かれ、女性も多数参加しているそうなのだ。

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しょうゆと砂糖だけで煮た


一度口にするとクセになる?

   筆者も思い返せば、少年時代は昆虫食と縁があった。田舎の祖父母の家で、近所の人が持ってきてくれたイナゴの佃煮をむさぼり食い、妹を震え上がらせたものだ。しかし、いつしかそんな蛮勇も消え去り、にわかに黒い昆虫など現れれば、大声を上げて逃げ出す体たらくである。

   まったく昆虫の一匹や二匹、平然と食らう男でありたいものだ――との思いを胸に秘め、東京・有楽町の東京交通会館2階にある「長野県東京観光情報センター」を訪れた。ここで信州の郷土食「蜂の子」の缶詰を売っていることは知っていたのだが、いままで手が伸びなかった。しかし、この機に「昆虫食」に挑戦する決心がついたのである。

   観光情報センターはその名の通り、長野の観光情報の提供がメインで、その一角で「土産品販売」と銘打ち、みすず飴や冷凍おやきといった長野の名産品を置いている。そして天然の地蜂の幼虫をしょうゆと砂糖だけで煮たという「蜂の子花九曜煮」(原田商店)も鎮座していた。1207円(65グラム)と、けっこうなお値段ではある。

ゴマやナッツのような後口

   さて目の前には、蜂の巣をあしらったデザインの缶がある。プルトップを引くと、大きいの小さいの、白いの黒いのと、さまざまな色形の幼虫がごちゃっと詰まっていた。甘い匂いはするが、一見、食欲をそそらない。なにやら不安な気持ちが胃のあたりからこみ上げてくる。

   つとめて平静を装い、口に運ぶ。すると、シャクシャクとした歯ごたえがあり、ゴマやナッツのような凝縮された滋味を感じる後口があった。聞けば、栄養価も高いという。

   そう思えば、この幼虫の固まりもなんだかかわいらしく見えなくもない。気味悪がって申し訳ありませんでした、と恥じ入らざるをえない気持ちになった。


商品名:蜂の子花九曜煮

製造:原田商店

サイズ:65グラム

価格:1207円

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