台風とともに迎えた「日本初のウェブサイト」誕生20年 製作者「成人式、感無量ですね」

   2012年9月30日――台風到来のうちにあわただしく過ぎたこの日は、実は「日本初のウェブサイト」がWWW上に誕生してからちょうど20年の記念日だった。

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「WWW」発明者の情熱に感化され


「日本最初のホームページ」より。ここが日本のウェブの原点だ

   「日本初のウェブサイト」を作ったのは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の研究者だった森田洋平さんだ。

   森田さんがウェブサイト製作を思い立ったのは、ティム・バーナーズ=リー博士と昼食をともにしたことがきっかけだという。博士は「World Wide Web(WWW)」、すなわちウェブというシステムの生みの親で、1990年に「世界初のウェブサイト」を作った人物だ。

「『情報はネットワーク上でみんなと共有して、はじめて価値が生まれる。WWWはハイパーテキストのリンクで世界中の情報をお互いに結びつけることを可能にする。KEKもぜひWWWサーバーを立ちあげて欲しい』と依頼されました。このときの博士の情熱にあふれた瞳を私は今でも忘れることができません」(「日本最初のホームページ」インタビューより引用)

   森田さんは昼食を終えてすぐ、KEKの公式サイトを作り上げた。時に1992年9月30日、これが日本初のウェブサイトだ。

今でもアーカイブが閲覧可能

   当時の様子は、アーカイブサイト「日本最初のホームページ」に再現されている。画像もなく、今の目から見ると非常にシンプルな内容だ。

   森田さんは現在、沖縄科学技術大学院大学に副学長代理(広報担当)として勤務する。Twitter(ツイッター)にもアカウントを開設しており、フォロワーからの「ウェブサイトの成人式ですね」との祝福に「感無量、です」。一方で誰もがSNSを楽しむようになった現在のネット世界には、「二十年ふたむかし、ですね(とおいめ」としみじみつぶやいていた。

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