学校崩壊に負けない子どもの育て方 「日本の教育」を考え直す

   4月から新学期だ。「勉強についていけるだろうか」「いじめはないだろうか」。新入生の親たちの不安と期待は様々だが、昨今は体罰や教育委員会の隠蔽体質、モンスターペアレントなど新たな問題も出てきた。日本の教育は大丈夫なのか。学校に任せておいていいのか。新学期にあたって、教育をめぐる話題の書を紹介する。

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大阪教育改革をリードする橋下市長の盟友


『学校を変えれば日本は変わる 強い国・日本は公立改革で生み出す』

   『学校を変えれば日本は変わる 強い国・日本は公立改革で生み出す』

   グローバル化の時代を生き抜く子どもたちを育てるために学校教育はどうあるべきか。元国際弁護士の最年少校長と元ジャーナリストの若手市議が熱心に語り合った。阪急コミュケーションズの『学校を変えれば日本は変わる 強い国・日本は公立改革で生み出す』(著・中原徹、伊藤大貴、1680円)は、その内容をまとめた1冊だ。

   著者の1人、中原氏は前大阪府知事の橋下徹大阪市長の友人で、大阪府立高校の民間人校長の公募に応じて採用され、全国最年少の校長として注目された。昨年(2012年)の卒業式の国歌斉唱で教職員が実際に歌っているかどうかを口の動きをみて確認する「口元チェック」で論議を呼んだ。今年(2013年)4月から大阪府の教育長。いじめ加害生徒対策、小学校からの英語教育、教育委員会改革などついて幅広く提言している。

モンスターペアレントはなぜ生まれるのか


『学校崩壊と理不尽クレーム』

   『学校崩壊と理不尽クレーム』

   学校や教師に理不尽なクレームを突き付けるモンスターペアレントは、しばしばワイドショーや週刊誌でも取り上げられるが、年々過激になり深刻度を増している。集英社の集英社新書『学校崩壊と理不尽クレーム』(著・嶋崎政男、735円)は、公立中学の教頭、校長として保護者や近隣住民の苦情対応の窓口を務めてきた著者が社会背景も含めその実態を解明し具体的な解決策を提言したものだ。

   「担任を代えてほしい」「うちの子を学芸会の主役に」「モーニングコールで起こしてほしい」。親たちが繰り出す要求や苦情は実に様々だ。とんでもない内容と同時に執拗なクレームが教師たちを萎縮させ精神性疾患へと追い込んでいる。本来子どもを育てるパートナーである教師と保護者があるべき関係を取り戻すためには――。

予約でいっぱい「スーパー学童」のノウハウ


『「将来有望」な子どもの育て方』 20年後を考えた子育て』
『「将来有望」な子どもの育て方』 20年後を考えた子育て』

   将来有望な子どもに育ってほしいと願うのは世の親の常だ。東京・目黒で6年先まで予約で一杯という保育園と学童保育を兼ねた塾を経営する著者がそのノウハウを公開したのが、アスコムの『「将来有望」な子どもの育て方 20年後を考えた子育て』(著・細川眞紀子、1260円)。

   勉強しなさいといっても、なかなか勉強しないのが子どもの常だが、「『勉強しなさい』といわないでも勉強する子になる方法」「『宿題もう終わったよ』が聞ける毎日に!」などといった項目もあって、カードやパズル、シ―ルなどを使った具体的な方法が紹介されている。著者は福岡ソフトバンクホークスの細川亨選手(捕手)の妻で一男一女の母親だが、教育プロデューサーとして様々な分野で積極的に活躍している。

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