「本屋大賞」百田尚樹さん、出血こらえ執筆 『海賊とよばれた男』誕生エピソード

   書店員の投票で決まる「2013年本屋大賞」に、百田尚樹さんの『海賊とよばれた男』(講談社)が選ばれた。2013年4月9日、都内で授賞式が開かれた。

Read more...

救急車で3回も病院に運ばれた


『海賊とよばれた男』(講談社)

   百田さんは、デビュー作『永遠の0』や『BOX!』『モンスター』などの作品で知られる人気作家。テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」などを手がける放送作家でもある。

   受賞した『海賊とよばれた男』は戦後間もない日本を主な舞台に、石油会社『国岡商店』を率いる国岡鐵造の生き様を描いている。出光興産の創業者、故・出光佐三氏をモデルにしたドキュメント小説だ。

   授賞式で百田さんは、「(投票する書店員は)6対4ぐらいで女性が多いので、過去の受賞作はどうしても女性の好みというか、ちょっと軽めのいい意味の甘めの作品が多かったように思います」と語ったうえで、「(石油をめぐる歴史経済小説である)こんな本はまず賞を取らんだろうと思っていました」と驚きと感謝の思いを語っていた。

   同書はすでに上下巻で計80万部のベストセラーになっている。講談社では「今回の受賞を機に、さらに幅広い層の方たちに読んで頂きたい」としている。

   百田さんは2012年9月14日、ネット番組「J-CAST THE FRIDAY」に出演した際、『海賊とよばれた男』の執筆時のエピソードを披露していた。100人を超える登場人物の生涯やプロフィールを資料と照らし合わせ、「7、8回は徹底して書き直した」。さらに、あまりに集中したせいか、救急車で3回も病院に運ばれ、出血をこらえながら執筆したこともあると明かした。出演時の動画は、アーカイブ「『執筆中に大量出血、救急車も…』~」で視聴できる。

注目情報

PR
追悼