相鉄、悲願の都内乗り入れ控え「ヨコハマ」アピール 車両と制服リニューアルお披露目

   神奈川県西部と横浜を結ぶ相模鉄道(相鉄)が2016年3月10日、新デザインの車両と乗務員の制服を横浜市内で報道陣にお披露目した。いずれも「横浜の色」をモチーフに新しい相鉄をアピールしている。

   相鉄は首都圏の大手私鉄の中では唯一都内に乗り入れておらず「沿線以外では知名度、ブランドイメージが低い」(相鉄ホールディングス=HD=の林英一社長)ことが課題。19年までにJRや東急との直通運転が決まっており、「悲願」とも言える都内乗り入れを果たす予定だ。今回のリニューアルで、神奈川県以外にも「相鉄」のブランドイメージを浸透させる足がかりにしたい考えだ。

新デザインには横浜の海をイメージした色「YOKOHAMA NAVYBLUE」(ヨコハマネイビーブルー)を採用した。ゆるキャラは相鉄の「そうにゃん」
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2018~19年にJRや東急に乗り入れる

   都心への乗り入れは2段構えで進む。まずは相鉄の西谷駅(横浜市保土ケ谷区)とJR東海道貨物線横浜羽沢駅(同神奈川区)付近を2.7キロの連絡線で結ぶ。海老名を出発した相鉄の電車は、連絡線から横須賀線に入り、「湘南新宿ライン」のルートでもある武蔵小杉から、都内の大崎、渋谷を経て新宿方面に乗り入れる。18年度の開業を目指している。

   次の段階が東急への乗り入れ。やはりJR横浜羽沢駅付近から、東急東横線と目黒線が乗り入れている日吉駅(同港北区)まで約10キロにわたって連絡線を建設。19年に田園調布を経て渋谷や目黒に乗り入れる。

   新デザインの車両は、既存の「9000系」をリニューアルした。車両の外観には、横浜の海をイメージした色「YOKOHAMA NAVYBLUE」(ヨコハマネイビーブルー)を採用し、内装はグレートーンでまとめた。照明が昼と夜で色調が変わるのも特徴だ。10両編成のうち2両に設置されている対面式の「クロスシート」と呼ばれる座席では、大手私鉄の通勤型電車では初めての本革を採用。「正直、別料金を頂戴できるレベル」(相鉄の担当者)という。新デザイン車両は16年4月10日に営業運転を始め、今後7~8年かけて他の車両も新デザインに改装する。

   新しい制服は横浜をイメージする紺色。お披露目には神奈川県出身のタレント、アッキーナこと南明奈さん(26)がモデルを務めた。南さんは、運転免許の更新で相鉄を利用するなど「相鉄エピソード」を披露。同線の二俣川が運転免許試験場の最寄駅という。新制服は16年秋から導入される。

相鉄沿線以外での知名度は40%

   今回の新車両デザインと新制服は、17年12月の創立100周年記念の「デザインブランドプロジェクト」の一環でもある。今後は海老名や二俣川といった主要駅のリニューアルも順次行われる。

   相鉄HDの林社長によると、同社が行ったアンケート調査では、沿線での相鉄の認知度はほぼ100%だが、それ以外の地域では40%。林社長は、

「まずは、今(沿線に)住んでいらっしゃる方に他社線に浮気をされないこと。東京に相互直通運転で入って行くので、『相模鉄道、相鉄グループというものがあるんだ』ということを認識してもらい、少しでも興味を持っていただければ」
「それにプラスアルファで、もし他社線から(移り)住んでいただけるということであれば、我々としては本当に幸い」

と話し、ブランドイメージの向上により沿線住民の増加を目指す考えだ。

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