「世界パスタデ―」――売れているのが、おいしい料理だ 世界中で愛されているパスタの秘密

   世界各地で愛されているパスタ。その歴史は古代に遡るが、イタリアで第1回「世界パスタ会議」が開かれたのは、1995年10月25日のこと。それを記念して「世界パスタデ―」が制定され、この日を中心に各国でキャンペーンが行われ、日本でも様々なイベントが開催される。今回はパスタだけでなく、イタリア料理全体の基礎知識や時代の変遷、食材や調理法、さらにはワインなどその魅力を改めて紹介したい。

    J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチhttps://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

『イタリアン手帳』(著・岸朝子、東京書籍)
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「おいしゅうございます」の名セリフ


『イタリアン手帳』(著・岸朝子、東京書籍)

   『イタリアン手帳』(著・岸朝子、東京書籍、1512円)は、テレビ番組「料理の鉄人」の審査員を務め「おいしゅうございます」の名セリフを残した故・岸朝子さんの1冊だ。昨年9月(2015年)に91歳で亡くなったが、半世紀を超えた料理記者の経験と豊富な知識が随所にあらわれている。

   イタリア料理すべてについて、何か知りたいとき、レストランでメニューを見るとき、自宅でレシピを読むとき、とにかく手元にあれば大変重宝な手帳型の料理図鑑である。

   内容はイタリア料理の概要、主な料理、イタリアワイン、食材の4つに分かれ、基礎知識はもちろん、料理名、食材名、ワインの銘柄やミネラルウォーターの銘柄まで1点1点写真付きで解説している。「おいしい料理とワインで、日本にいながらにしてイタリアを旅する幸福をお楽しみください」と岸さんの声が聞こえてくる。

古代小麦からもうひとつの祖国


『パスタの歴史』(著・シルヴァーノ・セルヴェンティ、フランソワーズ・サバン、監・飯塚茂雄、小矢島聡、訳・清水由貴子、原書房)

   パスタとは何か。その歴史とは――。『パスタの歴史』(著・シルヴァーノ・セルヴェンティ、フランソワーズ・サバン、監・飯塚茂雄、小矢島聡、訳・清水由貴子、原書房、4104円)は、パスタの歩みと世界的な広がりを1冊に収めた画期的な著作である。

   単なるグルメの話ではない。パスタのお勉強の本だ。古代小麦からはじまり、原料、種類、調理方法のみならず、生産技術の変遷、社会情勢や国際的動向まで網羅的に捉え、多面的に解説している。

   目次をみると、「パスタの誕生」から「手づくりパスタから機械生産へ」「工業生産の時代」と続き、「国境なきパスタ」「飽食の時代」へと国を越え、「中国――もうひとつのパスタの祖国」に辿り着く。著者のシルヴァーノ・セルヴェンティ氏は食品及びフランス・イタリア料理の風習や食べ物に関する歴史学者。フランソワーズ・サバン氏は中国研究家で主にアジアとヨーロッパにおける食の歴史と人類学を対象としている。

料理の味の善し悪しは80%が食材


『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(著・正垣泰彦、日本経済新聞出版社)

   ミラノ風ドリア299円。マルゲリータピザ399円。野菜のミネストローネ299円。フレッシュトマトのスパゲティ499円――。「低価格と高品質」でイタリアンレストランチェーンを築き上げたサイゼリヤの創業者、正垣泰彦氏の外食経営の指南書である。

   『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(著・正垣泰彦、日本経済新聞出版社、810円)という長ったらしいタイトルには、以下の自戒が込められている。「自分の店の料理が美味しいと言ってはいけない。なぜなら、自分の店の料理をうまいと思っていたら、売れないのはお客さん、景気が悪いということにしてしまう」という意味だ。ちなみに、料理の味の善し悪しの80%は食材の質で決まるそうだ。

   大学中に開業し、いまや海外を含め1300を超す店舗を展開し、イタリア料理の普及に貢献している。「安心感を与える値付け」「ヒットを生む2つの大原則」「値下げの限界点を見極める」といった経営のポイントをズバリと述べている。

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